ワクチンの争奪戦は人々を落胆させるもので、ウィルスの伝播を助長している。ワクチンは新型コロナのパンデミックに乗り越える最大の希望であることは疑いもない。ウィルスに対する免疫力を有効に獲得するためには、全人口の7割が接種しなければならない。富裕国の人口だけならそれに遥かに及ばないことは明らかである。不公平なワクチンアクセスを是正し、貧困地域を荒らす新しい変種ウィルスの伝播ペースを追い越すためには、この地球、この世界はCOVAXに頼らなければならない。WHOが共同発起人として立ち上げたこのグローバル・イニシアティブの狙いはワクチンの公平な分配を確保することにある。COVASは「Covid-19 Vaccines Global Access Plan」の略語である。
「Our World in Data」3月7日付までの一回目接種数統計を見れば、イスラエルとアラブ首長国連邦は世界をリードしており、もう一つの湾岸国家バーレーンは世界五位にランクインされている。チリはラテンアメリカのワクチン運動の先駆けで、次いではトルコとブラジルで、ともに世界ランキングの上位に入っている。イスラエルを除く上記の国々は、ともに西側以外からのワクチン獲得に積極的で、例えば中国からワクチンを入手し、それでタイムリーな一回目接種を実現させたのである。