TOKYO, Mar 9, 2021 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、一般財団法人 日本機械学会(川田 宏之会長)が主催する「2020年度日本機械学会賞」において、グループ全体で4件につき受賞しました。同賞は機械工学・工業の発展を奨励することを目的に、同学会員を対象として表彰するもので、優秀な技術功績および技術に贈られる「日本機械学会賞」では、三菱パワー株式会社の固体酸化物形燃料電池(SOFC)・ガスタービン複合分散型電源システム、および同社の超々臨界圧ボイラ、ならびに三菱重工工作機械株式会社の独自方式を採用した金属3D(3次元)プリンター開発が受賞。また、新進の若手会員を顕彰する「日本技術学会奨励賞」では、当社のボイラ伝熱性評価向上技術が表彰を受けました。3月5日に、同学会が正式発表しました。

日本機械学会賞は同学会創立60周年(1957年)記念事業の一つとして「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的として1958年に設けられたものです。以来、機械工学・工業界の発展と連動するかたちで表彰枠組などを順次拡充。2020年度は、優秀な技術功績・論文・技術を対象とする日本機械学会賞(技術功績)5件、同(論文)16件、同(技術)8件、若手顕彰のための日本機械学会奨励賞(研究)17件、同(技術)12件、優れた教育活動を対象とする「日本機械学会教育賞」5件が会員個人一人ないし複数に、優秀製品に向けた「日本機械学会優秀製品賞」4件が企業に、それぞれ贈られることとなりました。

技術分野で三菱パワーが受賞したのは「負荷追従性を格段に向上させた低質量速度設計USCボイラ」(受賞者:堂本 和宏ら5名)。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、今後は従来型火力発電設備も調整電源としての高い負荷追従性を持つことが期待されています。今回、高効率・高出力かつ高い負荷追従性を備えたUSC(Ultra Super Critical:超々臨界圧)ボイラを開発したことで、経済合理性の確保と再生可能エネルギー導入拡大(CO2排出量の低減)を両立する発電ソリューションの提供が可能となります。また、三菱重工工作機械が受賞したのは「パウダDED方式3次元金属積層造形機の開発」(受賞:二井谷 春彦ら5名)。レーザーによる金属積層造形技術を用いたこの金属3Dプリンターは、金属粉末材料をピンポイントで連続的にレーザー溶融点にノズル供給するデポジション方式(DED方式)を採用。不活性ガスの最適噴射により溶融部への大気流入を遮断するローカルシールドノズルと、インプロセスで金属溶融部を観察して造形条件をリアルタイムに制御できるモニタリングフィードバック機能を独自開発しました。この二つの機能を最適制御することで、造形品質の安定性と大型部品造形の生産性を飛躍的に向上させました。

技術功績分野で三菱パワーが受賞したのは「固体酸化物形燃料電池SOFCとガスタービンを組み合わせた高効率分散電源の開発及び実用化への貢献」(受賞者:小林 由則)。同社のSOFC(Solid Oxide Fuel Cell)とマイクロガスタービン(MGT)の組み合わせによる複合発電システム(ハイブリッドシステム)「MEGAMIE(メガミー)」は、都市ガスを主とした多種燃料を高度利用してCO2発生量の少ないクリーンな電力および熱を供給。エネルギー供給における環境負荷抑制に大きく貢献できます。国内で10基の導入実績があり、海外からも受注しています。

他方、三菱重工・総合研究所が奨励賞(技術)を受賞したのは「ボイラの信頼性を向上させる高性能伝熱管及び流動安定性評価技術の開発」(受賞者:渡辺 悠太)。ボイラ火炉壁管に適用する内面溝付管の開発や、ボイラで発生する各種流動不安定現象の予測・評価を通じて,より柔軟な負荷変化に対応可能な火力発電用ボイラの信頼性向上に寄与したことが評価されました。

三菱重工グループは、日本のモノづくりをリードするグローバル企業グループとして、これからも機械工学・工業の発展に貢献する総合的な研究・開発(R&D)にも力を注ぎ、その成果を事業発展につなげていきます。

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概要:三菱重工業株式会社

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記事名:「 「2020年度日本機械学会賞」を三菱重工グループ全体で4件受賞