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TOKYO, May 23, 2019 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、英国向け高速鉄道車両(Class 800)に関する意匠(意匠登録第1486294号)で、令和元年度(2019年度)の全国発明表彰において「恩賜発明賞」を受賞しました。「恩賜発明賞」は最も優れた発明や意匠に贈られる賞で、意匠が評価されて受賞することは、史上初となります。
全国発明表彰は、日本における発明、考案または意匠の創作者ならびに発明の実施および奨励に関し、功績のあった研究者・科学者を顕彰することにより、科学技術の向上および産業の発展に寄与することを目的として1919年に創設されました。
Class 800は、英国の都市間高速鉄道計画(Intercity Express Programme:IEP)向けに開発されたもので、ロンドンを起点に英国西部、北部に向かう主要路線を走行しています。日本と走行環境の異なる英国で、規格の違いを乗り越えるとともに、運行会社にとっての使いやすさや現地利用者の生活・文化に溶け込む車両の美しさや快適性などをトータルにデザインしました。これにより、新しい鉄道インフラの顔として、車両が社会に根差すことをめざしました。
日立は今後、英国をはじめグローバル市場に鉄道事業を拡大することで、人々のQoL(Quality of Life)を高め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
表彰式は、6月10日(月)にホテルオークラ東京で開催されます。
Class 800のデザイン
1. 衝突安全性と空力性能を両立させたデザイン
英国を含む欧州では、サバイバルゾーン*1の確保と、衝突時の減速度が規格で規定されています。この規格を満たすべく衝撃吸収体など複数の部品を採用していますが、これらの部品を車両先頭部に収納しようとすると、ボディーの外に張り出し、スピード感のある美しさや空力性能を阻害してしまうという課題がありました。Class 800では、部品の小型化や設置角度を工夫することで、空力性能を損なうことなく、ボディーからの飛び出しを抑えた滑らかな外観を実現しました。(図2)
2.ヒューマンファクター*2と車両生産性を考慮したデザイン
英国の規格では、重要なヒューマンファクターとして運転士の視界の確保に加え、同乗する助士の視界の確保も求められています(図3)。Class 800では、運転士と助士の視界を確保しながら、高速車両に求められる軽量化を実現し、生産性も考慮したウインドスクリーンをデザインしました。
3. 日立の車両アイデンティティを表現したデザイン
英国の規格では、接近する列車の視認性を高めるため、車両の先頭に1m2以上の黄色い面(警戒色)を設ける必要がありました。Class 800では、先頭部分に2本のキャラクターラインをデザインし、このライン間に黄色い面を構成しました。これにより、様々な運行会社に提供しても、車両前面の特徴的なデザインを日立のアイデンティティとして提示でき、統一感を示せるようにしました。(図4)
受賞の概要
意匠の名称:英国の社会インフラとなった高速鉄道車両(Class800)システムの意匠
創作者:日立製作所 高田 裕一郎、園 真
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/05/0523.html
概要:日立製作所
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