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TOKYO, May 16, 2018 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、気象庁の新しいスーパーコンピュータシステム(以下、新システム)を構築し、6月5日から稼働を開始します。新システムは衛星観測データをはじめ、世界中から収集される気圧、気温、風などの観測データをもとにコンピュータを用いた数値計算によって、大気の状態を予測する「数値予報」に活用されるものです。
日立は従来システム比約21倍となる世界トップクラスの総理論演算性能*1約18PFLOPS(ペタフロップス*2)を有する大規模システムを設計・構築し、気象観測の技術発展にともない飛躍的に増加している観測データを、気象庁が開発した「数値予報モデル」で高速かつ最適に計算できるシステム環境を提供します。
新システムにより天気予報や季節予報の精度向上のほか、中心気圧や最大風速といった台風の強度予報の予報期間が現在の3日先から5日先まで延長が予定される*3など、防災気象情報の高度化へ寄与します。
気象庁では、スーパーコンピュータシステムを用いた数値予報モデルの計算結果をもとに、実況の経過を加味して、最適な天気予報や台風、局地的大雨の予測を発表しています。この数値予報は世界トップレベルの技術を誇り、数値予報のデータは国内の防災機関や民間気象事業者に留まらず、世界各国の気象予報センターにも配信され、各国の天気予報に活用されています。また、今後も発生が懸念される自然災害を踏まえ、防災分野においても観測データをより一層活用し、国民の安全・安心を確保することが求められています。中でも、最新の気象学の研究成果や新しい観測データを活用した防災気象情報の高度化が期待されており、さらなる数値予報の精度向上を実現するシステムが必要とされています。
日立はこれまで、数値予報をはじめとする気象庁の業務を支援し培ってきた知見を有し、予報などに用いるシステムの稼働を24時間365日体制で支えてきました。また、大学や研究機関、企業などのさまざまなお客さまへのスーパーコンピュータシステムの導入実績を有しており、これらのシステム設計・構築や科学技術計算プログラムの最適化といったノウハウを活用し、今回の新システムを構築しました。システムの中核を担うスーパーコンピュータには、米国Cray Inc.のCray XC シリーズ最新モデル「XC50モデル」を選定し、総理論演算性能は従来システム比の約21倍となるなど、数値予報の精度向上を実現しています。
観測データは、IoTやAIといった最新技術を適用し、天気予報、防災気象情報のみならず、他分野におけるさらなる利活用の可能性を有しています。今後、日立はスーパーコンピュータシステムの構築で培った大規模データの処理技術などを活用して、気象データを用いた新たなデータソリューションや、社会インフラシステムと掛け合わせた新規ビジネスの創出を幅広く検討していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
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概要:日立製作所
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