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TOKYO, Jan 11, 2017 - (JCN Newswire) - 三菱重工業は、米国テキサス州で世界最大の処理能力を持つCO2回収プラントを完成させました。このプラントは、排ガス中にCO2が多く含まれる石炭焚き火力発電設備から4,776トン/日のCO2を回収するもので、関西電力株式会社と共同開発した高性能な吸収液(KS-1(TM))を用いてCO2回収時のエネルギー消費量を大幅に抑制できる独自のCO2回収プロセス(KM CDR Process(R))を採用しています。
本CO2回収プラントは、JXグループの中核事業会社であるJX石油開発株式会社および米国独立系発電事業者(IPP)トップのNRGエナジー社(NRG Energy Inc.:NRG)が共同で推進する大型原油増進回収(Enhanced Oil Recovery:EOR)プロジェクトにおいて、CO2を供給する役割を果たします。このプロジェクトは、両社の合弁会社であるペトラノヴァ・パリッシュホールディングス社(Petra Nova Parish Holdings LLC)が事業主体となり、テキサス州ヒューストンの中心部から南西約60kmに位置するNRGのW. A. パリッシュ(Parish)石炭火力発電所から排出される燃焼排ガスから回収したCO2を約130kmのパイプラインを通じて同州ウェスト・ランチ(West Ranch)油田まで輸送し、EORに利用するものです。
2014年7月、当社米国現地法人の米国三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries America, Inc.:MHIA)と米国大手建設会社のThe Industrial Company(TIC)からなるコンソーシアムが、CO2回収プラントをフルターンキーで受注、 同年9月から現地工事を開始し、このほど性能試験を完了したものです。MHIAはシステム全体の設計、中核機器の米国での調達、試運転調整および運転指導などを米国で実施し、当社はMHIAを通じてCO2回収プロセスのライセンスおよび吸収液を供与しています。
三菱重工は、天然ガス焚きや重油焚きの産業プラントで発生する燃焼排ガスからの商用CO2回収装置を世界各地で11基納入しており、この分野における商用実績では世界トップシェアを誇っています。石炭焚き排ガスを対象としたCO2回収では、排ガス中に各種不純物が多く含まれるため高度な処理技術が必要であり、当社は電源開発株式会社の協力の下、2006年から10トン/日規模の実証試験を実施し、連続安定運転の基礎実証を完了しました。また、2011年には米国の大手電力会社であるサザンカンパニー(Southern Company)のバリー(Barry)石炭火力発電所(アラバマ州)において500トン/日のCO2回収実証設備を建設し、同社との共同実証試験を通じて技術の信頼性向上および商用化につなげてきました。
当社は、高い信頼性と経済性を誇る独自のCO2回収技術の普及を通じて、環境負荷の低減による持続可能な社会の発展に貢献していきます。
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概要:三菱重工業株式会社
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担当窓口:エネルギー・環境ドメイン
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