TOKYO, Aug 18, 2016 - (JCN Newswire) - 特定非営利活動法人ミレニアム・プロミス・ジャパン(以下MPJ: 会長:渋谷健司、理事長:鈴木りえこ)は、2008年の設立以来、国連が定めたミレニアム開発目標(MDGs)の達成に貢献することを目的としてコミュニティが主導する「ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト」(P3参照)を通じて、アフリカ諸国での貧困撲滅に向けた諸活動を行ってきた。MDGsは一応の成果をあげて2015年末で終了したが、国連は、これに代わる開発目標として、2015年9月に「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した。現在、国際社会では、テロ、移民・難民問題、健康危機など人間の安全保障を脅かす地球規模の危機が広がっている。こうした状況に鑑み、MPJはこれまでのMDGsに関わる活動をさらに発展させ、今後の新たな活動方針として、「グローバル・ヘルス、難民、女性」を基本テーマとすることと定めた。

「グローバル・ヘルス」については、MDGs・SDGsの主要目標であるとともに貧困国において、社会的・経済的発展を実現するためには、まず、公衆衛生や体と精神の健康・保健が第一であり、日本には世界に負けないノウハウと経験が蓄積されている。8月27日~28日にケニアで開催される第6回アフリカ開発会議(TICADVI)の重要テーマの一つとして「強靭な健康システム」への貢献が挙げられていることなどから、重点テーマとすることとした。「難民」については、社会の不安定化につながる問題として、今や世界の最も重要なテーマとなってきていることから、MPJとしても取り組みの柱と考えた。また、「女性」については、ジェンダーの平等、及び貧困の連鎖を断ち切るためにも女性の教育とエンパワーメントが重要と考えた。

こうした新たな目標に向かって活動を充実すべく、MPJは、会長にグローバル・ヘルス分野の第一人者である渋谷健司教授(東大大学院医学系研究科国際保健政策学)を本年1月に会長に迎えた(北岡伸一は、2015年10月にJICA理事長に就任したことから当団体の会長を退任)。また、理事長の鈴木りえこが、アフリカ女性のエンパワーメントのためのNGO(Isis-WICCE)の理事に就任し、同団体との連携において、アフリカの女性支援を行う枠組みを整えた。

具体的活動としては、MPJがすでに活動実績のあるウガンダの、北部難民居住区(主に南スーダンからの難民)にて、最も劣悪な環境下にある難民女性の健康を改善するプログラムに取り組む。また、難民女性の自立支援も行い、女性の健康と経済的自立の両方を達成する予定である。主な取り組みは以下の(1)~(5)となる。

(1) ケア施設を建設し、女性と子供が集える場所を提供する。日本からの医療関係者を派遣。
(2) 難民女性をコミュニティ・ヘルス・ワーカー(CHW)として育成する。 
(3) CHWに報酬を支払い、難民居住区の健康・保健衛生環境を向上させるともに、彼女たちの経済的自立を促す。
(4) CHWの中から難民居住区内のコミュニティ運営を担う人材、帰国後にもリーダーシップを発揮できる人材を育成する。
(5) 緊急支援分野で実績のあるNGOの一つピースウィンズジャパン(PWJ)の協力を得て、上記の活動規模を拡大する。

この他にも「グローバル・ヘルス、難民、女性」の分野において複数の活動を展開する予定である。
貧困や難民は、テロの巣を作り出すと言われており、国際社会の最も重要な社会課題である。MPJはこれまでの活動をさらに発展させていくために、日本の得意分野である保健医療や人材育成を重視し、特に、日本と途上国の次世代を担う若い人材が協働し、市民のレベルからアフリカを中心とする貧困地域の諸問題を持続可能な形で解決していく施策を提供していく。

<ご参考>

ミレニアム・プロミス・ジャパンのこれまでの歩み

(1) MPJ設立の主旨
2000年の国連ミレニアム・サミットにおいて、日本を含む189か国により「ミレニアム開発目標(MDGs)」が採択された。MDGsが達成可能であることを世界に提示するため、国連事務総長特別顧問であるジェフリー・サックス教授(コロンビア大学地球研究所長)らがニューヨークにてNPO法人ミレニアム・プロミス(以下MP)を設立し、コロンビア大学地球研究所、UNDP (のちにUNOPS)とともに、世界で最も貧しい地域であるサハラ砂漠以南のアフリカ10ヶ国約80村を対象とした開発プログラム「ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト(MVP)」を実施している。MVPのコンセプトは、農業、教育、保健衛生、インフラなど包括的な介入により、村人の自立を促進することである。ミレニアム・プロミス・ジャパン(以下MPJ)は、MPのグローバルアライアンスとして、2008年に元国連次席大使の北岡伸一と妻の鈴木りえこらの呼びかけによって日本で設立され、2013年には認定NPO法人として東京都に登録している。MPJは、MVPへの支援を含む様々なアフリカ支援を行うと同時に、貧困問題、アフリカ支援に対する理解促進やグローバルリーダーとなる若者の育成などに取り組んでいる。2015年以降は、MDGsを継承・発展させた新たな開発目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」へ寄与することを活動目標としている。

(2) 活動紹介
1)ウガンダの女児就学支援(2009年~現在)
ウガンダのミレニアム・ビレッジであるルヒーラ村にて、小学校卒業試験を優秀な成績で合格しながらも家庭の事情で進学できない女児を対象に、寄宿舎付の中学校や高校、各種学校へ就学する支援を行っている。これまでに、医者や看護師を目指す計21名の女児を支援している。

2)ウガンダの小学校建設と幼稚園支援(2010~2015年)
ウガンダのミレニアム・ビレッジであるルヒーラ村にて、リャミヨンガ小学校の新校舎建設と同小学校付属幼稚園の支援を行った。新校舎の建設によって、生徒数が280名から約400名へ増えただけでなく、MPJから寄贈した机、イス、ノートPC等によって、生徒たちの学習環境が大きく改善された。

3)グローバル人材の育成(2009年~現在)
MPJの関連組織であるMPJユースには毎年東大生を中心に様々な大学から40~60名程度の学生が参加し、勉強会の他、アフリカ学生との交流会やアフリカンナイトなどのイベントを開催している。MPJとしては、毎春に実施されるアフリカ研修(2016年2月の渡航先はルワンダ)における、ミレニアム・ビレッジ、援助機関、日本企業、現地NGOへの訪問などを支援している。また、現地の学生を交えた国際学生会議を開催するなどし、グローバル人材の育成に取り組んでいる。

4)啓発活動(設立時~現在)
MPJでは、貧困問題やアフリカ支援への理解促進を図るため、日本国内において様々な啓発活動を行っている。これまでに、ジェフリー・サックス教授をメインゲストとしたシンポジウムや、アフリカ各国の駐日大使を招いての講演会、アフリカ専門家による連続セミナーなど、数多く行ってきた。また、各専門家や開発実務者を招いての講演であるMPJ研究会は、2016年8月現在までに29回開催している。その他、アフリカンフェスタやグローバルフェスタなどへの出展、理事長やMPJユースのメンバーによる中学校や高校での講演などを通して、広く開発問題の啓発活動に注力している。

(3) 活動年表(主な事業のみ)

2008年
特定非営利活動法人として内閣府に登録(会長:北岡伸一、理事長:鈴木りえこ)
サックス教授ほか講演イベント「アフリカの貧困削減と日本の役割」(東京大学・朝日新聞社共催・MPJ後援)

2009年
ウガンダにて女児支援を開始(現在まで継続)

2010年
セネガルにおいて女性の自立支援事業(シアバター石鹸生産のワークショップ開催)
ウガンダにてリャミヨンガ小学校建設

2011年
一流講師によるグローバルフロンティア講座(全12回)を開催
東日本大震災被災地にて復興支援イベント実施

2012年
東日本大震災被災地にて復興支援イベント実施
ウガンダにて点滴による灌漑パイロット事業実施

2013年
認定NPO法人として東京都に登録
TICADⅤサイドイベント開催(朝日新聞・MPJ共催)
アフリカソーシャルビジネススクールの開催(サラヤ株式会社・MPJ共催)
サックス教授講演イベント「持続可能な開発と企業の役割」(日本経済研究センター主催・MPJ後援)

2014年
ケニアにおいてデジタルグリッドを利用した地方電化事業参画(デジタルグリッドソリューションズ・デジタルグリッドコンソーシアム・東大・電通・MPJ共同)
サックス教授来日イベント「持続可能性とポスト2015年開発アジェンダの統合をめざして」(国連大学サステイナビリティ高等研究所・MPJ共催)
フィリピン・ハイエン台風被災地にて6か所に仮設教室の建設
ウガンダ・リャミヨンガ小学校付属幼稚園の支援事業実施

2015年
マラウィ・ゾンバ県にて洪水被災者への食糧支援実施
アフリカ留学生奨学金制度を試験的に導入

2016年
TICADⅥ公式サイドイベント開催予定(MP・MPJ共催)
ウガンダ北部における南スーダン難民支援事業を構想中
マラウィにおけるバオバブオイル生産を通じたビジネススキル支援を構想中
エチオピアの女性支援のためのチャリティーディナーを構想中

※このほか、MPJ研究会、ユースのアフリカ研修を毎年開催。シンポジウム、講演会などを随時開催。

ミレニアム・プロミス・ジャパン 会長、理事長の略歴

<ミレニアム・プロミス・ジャパン会長>
渋谷 健司
東京大学医学部、米国ハーバード大学博士課程卒。医師、公衆衛生学博士、医療を通じた我が国のグローバル化と社会変革がテーマ。医学生時代に世界放浪の途中でマザーテレサの施設でボランティア。千葉県房総のER勤務、ルワンダ難民キャンプで医療施設の立ち上げ後、ハーバード大学人口・開発研究センターフェロー。2001年からは世界保健機関(WHO)本部にて、政策チーフとして世界50ヶ国以上で保健医療政策のアドバイスを実施しながら、ビル&メリンダ・ゲイツ財団や民間セクターとの連携を推進。2008年より現職。厚労大臣私的懇談会「保健医療2035」策定懇談会座長、厚労省参与を歴任。

<ミレニアム・プロミス・ジャパン理事長>
鈴木りえこ
ミレニアム・プロミス(ニューヨーク)理事、Isis-WICCE(ウガンダ)理事。電通総研(当時)の主任研究員として様々なプロジェクトに取り組み、政府の審議会委員を務めた。97年に読売論壇新人優秀賞受賞、電通総研社長賞を受賞。電通を早期退職後の2004年、夫・北岡伸一氏(当時国連次席代表)に同行し渡米。滞在中、Millennium Promise(NPO法人)の創立者で国連事務総長特別顧問のジェフリー・サックス教授夫妻らと共にセネガル、ケニア、マラウィを訪問。帰国後の2008年に、夫とともにミレニアム・プロミス・ジャパンを設立。これまで、アフリカ13カ国を訪問している。著書に『超少子化~危機に立つ日本社会』(集英社新書、2000年)ほか。

MPJ役員一覧 【2016年8月時点】

役職:会長
氏名:渋谷 健司
所属:東京大学、役職:東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教授
所属:一般社団法人JIGH、役職:理事長

役職:理事長
氏名:鈴木 りえこ

役職:副理事長
氏名:安田 尚代
役職:ニューヨーク州弁護士、外国法律事務弁護士

役職:理事
氏名:井上 智治
所属:株式会社井上ビジネスコンサルタンツ、役職:代表取締役

役職:理事
氏名:遠藤 貢
所属:東京大学、役職:東京大学大学院総合文化研究科教授

役職:理事
氏名:更家 悠介
所属:サラヤ株式会社、役職:代表取締役社長

役職:理事
氏名:※谷 耕一
所属:リッキービジネスソリューション株式会社
役職:代表取締役

役職:理事
氏名:吉崎 達彦
所属:株式会社双日総合研究所
役職:チーフエコノミスト

役職:理事
氏名:久保 文明
所属:東京大学
役職:東京大学大学院法学政治学研究科教授

役職:理事
氏名:土井 正己
所属:クレアブ株式会社、役職:代表取締役社長
所属:山形大学、役職:特任教授

役職:理事
氏名:西田 陽光
所属:一般社団法人次世代社会研究機構
役職:代表理事

※「渋」の旧字体、さんずいに「止」を3つ

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.acnnewswire.com/clientreports/598/160818.pdf


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情報提供元: JCN Newswire
記事名:「 ミレニアム・プロミス・ジャパン、新たな活動方針を発表