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東京, 2025年6月17日 - (JCN Newswire) - グローバル・マルチアセット・ブローカーのErranteは、「米連邦準備制度、利下げは見送りの見通し,インフレ鈍化進むも、9月が初の利下げ『現実的なタイミング』に」と題した最新の市場レポートを発表した。同レポートでは、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月18日の次回FOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置くとの見通しが示されており、インフレ指標の改善にもかかわらず、9月が利下げの現実的な開始時期とされている。
とはいえ、FRB内部では依然として慎重な姿勢が強く、市場では「利下げに向けた明確なシグナル」はまだ先になるとの見方が広がっている。
パウエル議長は、「インフレが持続的に2%の目標へと向かっているという**『より確かな確信』**が得られるまでは、利下げに踏み切ることはできない」と明言しており、目先の判断は経済全体の動向に左右される。
一方で、中国製EVや半導体などへの新たな関税導入が市場心理に影を落としており、米中貿易リスクが金融政策の見通しに不確実性を加えている。
利下げを巡るFRB内の対立構図
現在、FOMCのメンバーは大きく3つの立場に分かれている:
●ハト派(Dovish) メアリー・デイリー(サンフランシスコ連銀総裁)やオースタン・グールズビー(シカゴ連銀総裁)らは、現行の高金利がすでに景気を圧迫しているとし、「9月にも利下げに踏み切るべき」との見解を示している。
●中道派(Centrists) パウエル議長をはじめとする中道的な立場のメンバーは、さらなるデータの確認を重視しており、2022年のインフレ再燃の記憶から慎重な姿勢を崩していない。
●タカ派(Hawkish) クリストファー・ウォーラー(理事)やミシェル・ボウマン(理事)らは、賃金インフレやサービス業の価格上昇が依然根強いと警戒しており、「11月以降まで利下げは時期尚早」との立場を取っている。
2025年後半の利下げシナリオと市場の織り込み状況
今後のFRBの政策スケジュールと市場予想は以下の通り:
●6月18日(次回FOMC) 利下げ見送りが濃厚。パウエル議長は「インフレ鈍化への進展」を認めつつも、利下げに向けた踏み込みは限定的となる見通し。
●7月30日(FOMC) 仮に6月のインフレ指標が予想以上に弱ければ一部で議論が始まる可能性もあるが、利下げ実施の可能性は低い。
●9月17日(FOMC) 市場では初の利下げが現実的に検討されるタイミングとされており、現在の織り込み確率は約55%。
●12月10日(年内最終FOMC) 市場は年末までに1〜2回の利下げを織り込みつつある。
FRBが注視するデータ
●コアPCEインフレ率:現在は2.7%。利下げに対する確信を得るには、2.5%以下への低下が必要。
●賃金上昇率:年率4%以上と依然として高水準で、安定したインフレ率を実現するには不十分と見なされている。
●労働市場:やや軟化傾向にあり、失業率は**4.1%**に上昇。ただし、5月の雇用者数は市場予想を上回る13万9,000人の増加。
●市場の期待感:ニューヨーク連銀によると、消費者のインフレ期待は2021年以来の低水準に落ち着いている。
政治的圧力とメッセージ戦略のリスク
2024年の米大統領選を控え、政治的なノイズがFRBの対応を難しくしている。特に、トランプ前大統領がパウエル議長を解任し、よりハト派とされる投資家スコット・ベセント氏を後任に指名する可能性が一部で報じられ、FRBの独立性に対する懸念が高まっている。
FRB高官らは、講演などで**「リスク管理」や「段階的な進展」**を強調しており、パウエル議長も確約を避けながら改善傾向を認めるバランス重視の姿勢を維持するとみられている。
米国債務と経済の全体像
インフレ懸念が根強い一方で、米経済は依然として力強さを維持している。国家債務は**37兆ドル(国民一人あたり約10万8,000ドル)**に達し、超党派で財政責任を軽視してきたとの批判も強まっている。それでも、労働市場の底堅さが経済成長を下支えしている。
結論:9月が転機となる可能性
5月のインフレ指標は前進の兆しを示しているものの、FRBは依然として様子見の姿勢を崩していない。夏季中の利下げは見込まれていないが、9月17日のFOMC会合は、経済指標次第で転機となる可能性がある。それまでは、FRBはインフレ抑制と景気回復の両立という難しいバランスの維持に注力することになりそうだ。
Erranteについて
Erranteは、グローバルで規制されたマルチアセット・ブローカーとして、透明性の高い取引環境、豊富な流動性、高速な約定スピードを提供しています。複数の法域でのプレゼンスを活かし、初心者からプロまであらゆるトレーダーに信頼できるツールとインサイトを届けます。
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Christina Maria Kyriakidou(クリスティナ・マリア・キリアキドウ)
グローバルマーケティング責任者
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