東京で開催され、歴史的な試合が多数生まれた2020年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)。

東京都・有楽町にある「SusHi Tech Square」では、東京2020大会の歴史的価値や社会的意義を未来に伝えるため、資産展示や競技体験が出来る場として「TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展」が開催中。

そして同会場にて、車いすラグビーの池崎大輔選手・ボッチャの廣瀬隆喜選手と競技体験が出来るイベントが3月2日に開催された。

 

「車いすラグビー」池崎大輔選手・「ボッチャ」廣瀬隆喜選手と競技体験出来るイベントが開催

 

「TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展」開催中

東京都では、最先端のテクノロジーや多彩なアイデア・デジタルノウハウにより、世界共通の都市課題を克服する「持続可能な新しい価値」を生み出す「Sustainable High City Tech Tokyo= SusHi Tech Tokyo」を世界に向けて発信している。

このコンセプトを体験出来る施設が、有楽町駅目の前にある「SusHi Tech Square」だ。

2023年12月15日から2024年3月10日までの期間は第2期展示が行われており、そのうちの1つとして開催されているのが「TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展」。

本展は東京2020大会の歴史的価値や社会的意義を未来に伝えるべく開催されており、資産展示や競技体験が出来る場を設けている。

招致決定から開催までの軌跡までを展示しており、大会開会式で実際に使われた衣装や聖火リレー用のトーチ、実物のメダル・書状などのほか、大会の様子や使われている道具なども展示。

また、サイバーボッチャ・e-スケートパークなどで競技体験が出来るほか、AR技術を駆使したフォトスポットなども用意されているなど、見学だけでなく体験も可能となっている展示イベントだ。

 

プロアスリートと一緒に競技体験が出来るイベントを開催

3月2日に「TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展」にて、車いすラグビーでリオ2016大会・東京2020大会で銅メダルを獲得した池崎大輔選手、そしてボッチャでリオ2016大会ではTeam BC1-2の銀メダル、東京2020大会では銅メダルを獲得に貢献した廣瀬隆喜選手が登壇する競技体験会が開催。

本体験会に応募し当選した方々が、池崎選手・廣瀬選手と共にパラスポーツ体験を行った。

当日登壇した池崎選手は東京2020大会を振り返り、

「東京・自国開催ということで、金を獲るためにやってきたんですけれども、力及ばず銅メダルになってしまったので、凄く悔しさの残る大会でした。」

と悔しさが残る大会だったと話しつつも、自国で開催されたパラリンピックに出場でき、パラスポーツを多くの方々に知ってもらう機会となったことは嬉しいとコメントした。

また廣瀬選手は、

「コロナ禍ということでお客さんがいる前でプレー出来なかったのが悔しさがありますが、SNSなど色々なツールを通じてたくさんの応援のメッセージを頂いて、皆さんと繋がって戦えたのかなと思っています。」

と話していた。

その後、両選手からそれぞれの競技について簡単な説明とレクチャーが行われた。特に印象的だったのが、車いすラグビーでのタックル体験だ。

「車いすラグビーはフルコンタクトスポーツ。これが1番の見どころなんです。当然安全性を確保するため、体が投げ出されないようにベルトをしっかりします。また車いす(通称ラグ車)も競技専用のものを使用しており、体同士が接触しない作りになっているんです。」

そう説明した後、司会の方がタックルを体験することに。「ドカン!」と、凄まじい音と共に衝撃が伝わり、司会だけでなく観客からもどよめきが出る程の迫力だった。

「今タックルを受けた時に、まず何が起きたか。(受けた方は)すぐ笑顔になったんです!タックルを受けるとすぐ笑顔になれる、車いすラグビーって素晴らしいスポーツなんです!(笑)」

とジョークを交え、会場は非常に和やかな雰囲気に。

次に、廣瀬選手と東京2020大会で監督を務めた村上氏がデモンストレーションを行い、プロの技を見せてくれた。

通常と違いカーペットの床という条件でも数々の技を成功させ、参加者たちからは大きな拍手が贈られた。

 

体験会では競技の魅力で大人も子供も夢中に!

その後、体験会が開催。参加者たちはAチームとBチームに分かれ、池崎選手・廣瀬選手にレクチャーを受けながらそれぞれの競技を体験。

ボッチャでは審判を村上さんが務め、廣瀬選手が全体を見ながらアドバイスや解説、盛り上げを行った。

ボッチャはカーリングのように、目標(ジャックボール)にいかに近づけるかを個人・チームで競い合うスポーツだ。

時には「こういった方がいいんじゃないか」「ここを狙って、このボールを弾ければ…。」とチームで話し合いながらプレーを行い、子供よりも大人の方が没入していた程。

時には廣瀬選手や村上さんも唸るほどのプレーが飛び出すなど、大盛り上がりだった。

一方で車いすラグビーの体験コーナーでも、初めて車いすに乗る方も多い中レクチャーと体験が開始。

設置されたコーンをS字にぐるぐる回ったり、走行しながらボールをパスしたりといった体験を行っていた。

そして参加者一人ひとりに対し、先程も行っていたタックル体験を実施。

ドカンという大きな衝撃音と共に「きゃー!!」「うわああ!!」と悲鳴が挙がっていたものの、すぐに大きな笑い声と笑顔が浮かんでおり、タックル後には池崎選手の方からハイタッチや握手をしていた。

子供相手には優しく減速しつつ、逆に大人の男性相手にはコーンを回りながら「いきますよー!!」と勢いをつけてタックルするなど、配慮やパフォーマンスも忘れない池崎選手の体験コーナーでは「もう一回やりたい!」という声も出ていた程の迫力ある体験会だった。

最後には池崎選手・廣瀬選手と一緒に記念撮影をし、イベントは終了。

プロの技術を目の前で見せてもらい、パラスポーツの魅力を知ることが出来る体験イベントということもあり、大人も子供も大満足の様子だった。

 

「誰もが目に入り耳に入るように普及していきたい」

イベント後、池崎選手と廣瀬選手へのインタビューも実施した。

普段から練習場所が被ることで、交流があるというお2人。

池崎選手は「ちょっと勝負しようぜ!」と廣瀬選手にボッチャ勝負を挑むも「まだ一度も勝てたことがない。ズルしても勝てないんですよ(笑)」と話し、報道陣から笑いを取る場面もあるなど、非常に和やかな雰囲気に。

廣瀬選手は今年のパリ2024大会に対して、

「ボッチャブームを続けてる(もっと広く知ってもらう)ためには、メダルを獲り続けるというのが凄く重要だと思っています。」

と、徐々に知られているボッチャブームをさらに続けるべく、メダルを獲得したいと語った。

池崎選手は、金メダルを獲るのは通過点と話し、

「金をとってからどんどんパラスポーツを発展していきたい、普及していきたいっていう想いがあるし、メダリストだからこそ言える言葉も重さっていうのもあると思う。そういうところをたくさんの人に伝えて、もっともっとパラスポーツを広めていきたいなと思ってます。」

と説明。

両選手とも、選手としての目標だけでなく、その後のパラスポーツ普及まで見据えて活動しているとコメントしていた。

 

池崎選手・廣瀬選手とパラスポーツ体験ができた今回の催しは、SusHi Tech Squareで開催されている「TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展」で実施した。

東京2020大会を思い起こさせる展示物に、様々な体験が出来る催しとなっているので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

●TOKYO FORWARD TOKYO2020レガシー展

会期:3月10日まで
開館時間:
火曜日〜金曜日 11時~21時(最終入場:20時30分)
土曜日及び休日 10時~19時(最終入場:18時30分)
休館日:月曜日
入場:無料
インフォメーション:https://www.sports-tokyo-info.metro.tokyo.lg.jp/miru/kokusai/tokyo2020archive.html

情報提供元: 電脳反響定位(エコーロケーション)
記事名:「 パラリンピック競技のボッチャ・車いすラグビー体験会が「TOKYO2020レガシー展」で開催