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リーダーはメンバーに挑戦する機会を与えるだけではなく、挑戦を応援する姿勢も示さなければなりません。メンバーの挑戦する意欲を褒め、チーム全体の挑戦する姿勢を育むことが大切です。メンバーの挑戦を応援するときに気を付けることとは。挑戦を促すために大切なこととは。挑戦を応援するときに必要なリーダーの心構えについて考えます。【週刊SUZUKI #112】
これまで経験したことのない未知への挑戦は、その度合いに関わらず賞賛されるべきです。もし失敗に終わったとしても、その勇気ある行動は褒め称えられるべきです。すべての挑戦は成功か失敗かを問わず、評価されなければなりません。
しかし中には、「挑戦なんて無意味」「どうせ失敗するだけ」などと挑戦に否定的な考えを持つ人もいます。そんな中、リーダーは挑戦者の一番の理解者になるべきです。一番の応援者になるべきです。挑戦をただ見守るのではなく、時にはアドバイスを送り、手を差し伸べて挑戦を全力でバックアップします。リーダーのこうした姿勢が挑戦者の力となり、挑戦を後押しするのです。
リーダーとして挑戦者を応援する際、結果だけを気にしないようにすることが大切です。プロジェクトをけん引するリーダーには常に結果が求められ、売上や会員数などのノルマさえ課せられているに違いありません。しかし、挑戦するメンバーに同様のノルマや結果を追い求めるべきではありません。挑戦者が成功したかどうかではなく、挑戦したこと自体が評価されるべきなのです。
途中で挫けず、最後までやり遂げる挑戦も評価されるべきです。難題ばかりの挑戦では、途中で諦めてしまう人が少なくありません。リーダーは何度も挫けそうになる挑戦者を鼓舞し、最後までやり遂げる勇気を与え続けるべきです。苦しくてもやり抜く覚悟を植え付けるべきです。
挑戦というと、多くの人が失敗を恐れて躊躇ってしまいます。しかし、行動しなければ何も生まれません。成功はおろか失敗さえ経験できません。
一般的に失敗は「マイナス評価」と思われがちですが、何も行動していないことこそ、「ゼロ」ではなく「マイナス評価」です。行動を伴うことではじめて「プラス評価」の可能性が生まれるのです。「何もしなければ失敗も成功もせずにプラマイゼロ」と考えている人がいるなら、リーダーは何もしない時点でマイナスであることを教えるべきです。何もしないメンバーに一歩を踏み出す勇気を与えることも、大事なリーダーの務めなのです。
【リーダーの心得 その20】
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。