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リーダーはゴールを目指すために周囲とどう接するべきか。とりわけモチベーションの低いメンバーをどのように奮い立たせればよいのか。チームのやる気を促し、成功へ導くために必要なリーダーの姿勢について考えます。【週刊SUZUKI #95】
どんな些細な仕事にも必ずあるのが「ゴール」です。「仕事を受注する」「売上を上げる」「サービスを提供開始する」「企画書を作成する」など、担当する人の立場により、さまざまなゴールが存在します。個人ではなく部署やチーム、会社のゴールももちろん存在します。所属する組織がどんなゴールを目指しているのかを意識し、一人ひとりがゴール到達を支える存在にならなければなりません。
しかし組織の中には、明確なゴールを描けなかったり、達成に向けて積極性を示せなかったりする人がいます。こうした人が増えるほど、ゴールにたどり着く確率は下がってしまいます。
こんな状態に陥らないようにするのがリーダーの役割です。自分自身を鼓舞するのはもとより、周囲の仲間を励まし、勇気づけ、奮い立たせられるようになるべきです。チームの雰囲気やメンバーの言動に気を配り、率先してゴールまでの道のりを先導することが大切です。ゴールに到達したときの未来を共有し、目の前の仕事にどんな意義があるのか、どれだけ大切な業務なのかを説くようにします。一度や二度話して終わりではなく、何度も仕事の意義を説明してもよいでしょう。周囲のメンバーがやる気を示すまで、諦めることなく鼓舞し続けられる人こそ、リーダーには向いています。
心配事を抱えているメンバーがいれば、相談に乗ることも大切です。「仕事に貢献できない」「今の業務は自分のスキルを超えている」などの不安を抱えるメンバーと、解決策をともに考えるようにします。時にはチーム全体の問題として、不安を解消する術を模索すべきです。チームがゴールを迎えるという最終目標達成に向け、あらゆる手段を検討、行動するのがリーダーの務めです。
リーダーは常にチームワークに目を向けるべきです。コミュニケーションを密に取り、全体の士気が下がらないよう配慮します。もちろんすべての言動がチームワークに寄与するわけではありません。最初はうまくいかずとも、試行錯誤を繰り返しながらチームワークを育むべきです。メンバーが仕事を楽しいと感じるか。このバロメーターと向き合うことがリーダーには求められるのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。