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仕事で失敗すると、「自分には責任はない」とつい責任転嫁しがち。しかし、そんなときこそ「俺がすべての責任を取る!」と言えるようになるべきです。失敗に対して当事者意識を持つことが、自身の成長につながるからです。では失敗とどう向き合えばよいのか。責任を負ってどう行動すればよいのか。失敗を自分事として受け止めることの大切さを考えます。【週刊SUZUKI #85】
多くの人は自分の失敗を受け入れようとしません。何かしらの言い訳を考え、失敗を認めようともしません。失敗することはそれだけ罪で、誰からも嫌がられるものと思われているのです。
しかし失敗から目を背けるべきではありません。真正面から失敗を受け止めるべきです。言い訳して責任逃れするなどの行為はもってのほかです。周囲の同僚や他人に責任を押し付けるのも言語道断です。
失敗したら、自分事として向き合うことが大切です。失敗した要因は自分にあると、自分自身を徹底的に責めるべきです。そんな行動が、失敗から些細なことでも学び取ろうとする姿勢を呼び出します。自身の行動を振り返り、何が悪かったのか、何が要因だったのかを逃げずに検証するようになります。つまり、失敗の中から今後の教訓を得るには、自分がどれだけ当事者意識を持てるかが重要なのです。意識が低ければ得られるものは少なく、失敗したこと自体が無意味になりかねません。
失敗の要因が誰なのかあやふやな場合でも、まずは自分に疑いの目を向けるべきです。責任を誰かに擦り付けるのではなく、自分事として失敗を受け止めます。失敗に関わりたくないと思いたくなっても、そこから逃げずに失敗した事実と対峙すべきです。中には「お前のせいだ」などと名指しして責任を押し付ける人もいるでしょう。決して良い気分ではありませんが、失敗を自分事として検証できるチャンスと思えるくらいの気持ちを持つべきです。この前向きで、かつ当事者意識を持つことが、自分を成長させる原動力となります。失敗から逃げようとする人には描けない成長曲線で成長できるようになるのです。
もし失敗したら、早めに自分の責任だと認めるようにしてください。反省し、失敗の要因を突き止めてください。周囲の仲間からアドバイスをもらい、何が悪かったのかを客観的に見つけ出してください。その上で今後の教訓を探し出します。
こうして失敗と徹底的に向き合えば、後は成功に向けて歩み出すだけです。失敗で学んだ教訓があなたの歩みを支えてくれるはずです。失敗と向き合わなかった人にはない教訓があなたを支えているのです。これがあなたの強みとなり、生涯に渡ってあなたを成功へと導くのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。