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「あのとき頑張ったのに…」と後悔することはよくあります。しかし、そのとき本当に頑張ったと胸を張って言えますか。全力を出し切ったと言えますか。もしかすると、頑張った「つもり」なだけかもしれません。後悔しないために必要なこと、本気でやり抜くために大切なことについて考えます。【週刊SUZUKI #78】
仕事でもプライベートでも、何かに取り組む上で求められるのは真剣さです。どんなことも、いい加減に取り組んでは意味はありません。仕事であれば、真剣に集中して取り組まなければ成果に結びつきません。どれだけ本気でやり抜けるか。すべての行動にはこうした強い意志が不可欠です。
もし本気で全力を出し切れば、結果を問わず達成感を味わえます。難題にどう立ち向かったのか、どう改善したのかなどの全力で取り組んだ過程が糧となり、自信をもたらします。逆に、全力で取り組まずに成功しても達成感は味わえません。本気で全力を出し切れば、後悔することも一切なくなるのです。
全力を出し切らなかったり本気でやり抜かなかったりすれば、必ず後悔します。「なぜできなかったんだ」「なぜ真剣に向き合わなかったのか」など、次から次へと自分の行動を悔やむことになるでしょう。
中でも一番後悔するのは、やった「つもり」になることです。何かに真剣に取り組もうとすると、多くの人が「一所懸命やったのに」「自分の持てる力をすべて発揮したのに」と思い込んでしまいがちです。しかし、こうしたケースの大半が全力を出し切っていません。つまり、本気でやり抜こうとする気持ちだけで、その気持ちが行動に現れていないのです。これでは結果を残せないし、何より達成感も味わえません。
「一所懸命やったつもり」は、自分の緩い評価基準に基づいています。その基準では、高い壁を乗り越えることはできません。辛く困難な道を歩き通すこともできません。本当に一所懸命だったかどうかは、後悔が一切ないか、結果に関係なく達成感を味わえたかどうかで決まるのです。
後悔し反省すれば、人は多くを学び、成長するきっかけにもなるでしょう。しかしそこには、本気で全力を出し切っていない自分がいることを忘れてはなりません。後悔や反省の前に、まずは本気で取り組むこと、余力を残さず全力で立ち向かうことが何より大切です。一片の後悔を残すことなく全力で取り組めるかどうか。この行動が自分を高みに誘います。より高いレベルで向上し、大きな成長をもたらすのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。