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東京都足立区に位置する西新井小学校は、約500人の児童を抱える比較的大規模な学校です。ICT教育において先駆的な取り組みを行っている同校は、2021年度にGoogle for Educationを導入し、これまでのICT活用の実績を基に、さらなる発展を遂げています。Google Workspace for Education、通称Google Workspaceを使用することで、児童たちと教員の間でさまざまな学びが実現しています。
西新井小学校の教諭、小室由佳子氏と今野拓洋氏は、具体的なICT活用の事例をいくつか挙げています。特に注目すべき取り組みは、Google Workspaceのアプリケーションを使った共同編集や協働作業、そしてGoogle Meetを利用した遠隔地との交流です。児童が自ら考えたゲームのルールや作戦をGoogleドキュメントで整理し、道徳の授業ではGoogle Jamboardを使って意見をひとつにまとめることができるよう工夫されています。また、クラスの活動や委員会活動においてもGoogle Classroomが活用され、全員が参加しやすい環境が整っています。
さらに、教員はGoogle Meetを通じて、東京以外の地域や国との交流も積極的に行い、大田区立道塚小学校とのクラス間交流が実現し、児童たちは直接意見を交換することも。さらに今野氏は、遠く離れた国々に住む人々との会話を通じて、異文化理解を深める活動も展開しています。こうした経験を通じて、児童たちは自ら主体的に学ぶ姿勢を育んでいます。
学習面では、ICTの導入によって特に目立った成果が見られています。小室氏は、字を書くことが苦手だった児童がJamboardを使うことで自発的に意見を述べられるようになったと語ります。また、今野氏は社会の授業でのJamboardの活用を通じて理解度が向上し、テストの点数も改善されていることに手応えを感じています。このように、ChromebookとGoogle Workspaceの活用は、教員の授業運営にも良い影響を及ぼしていると言えるでしょう。
教員同士のコミュニケーションも円滑になったおかげで、業務の効率化が進んでいます。資料やデータをクラウド経由で共有できるため、会議の際に持ち寄る資料の量が減り、時間を有効に使えるようになりました。これにより、児童への指導にかけられる時間も増え、より質の高い教育を実現しています。
足立区立西新井小学校の取り組みは、教育のデジタル化に向けた一つの成功事例といえるでしょう。今後もChromebookとGoogle Workspaceをさらに活用し、児童が主体的に学び続けられる環境を整えていく考えです。その結果、育まれる未来の人材像には大きな期待がかかります。
執筆:DXマガジン編集部