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jinjer株式会社は、中小企業の人事担当者302名を対象に「中小企業における人的資本経営の実態」に関する調査を実施しました。この調査は、人的資本経営が企業の競争力向上に欠かせない要素であるとの認識のもと、特に人手不足や採用難が課題となっている中小企業における現状と課題を把握することを目的としています。
調査結果によると、人的資本経営を重要視する企業は約58%に上ります(図1)。
しかし、実際に人的資本情報の測定や開示に取り組んでいる企業は約11%に留まることが明らかになりました(図2)。このギャップは、業務過多などが原因で人的資本経営への取り組みが後回しにされがちであることを示唆しています。
人事部の運営に関しては、「4名以上」の人事部を持つ企業が32.5%と最多であり(図3)、人的資本情報の可視化や開示に取り組む企業は少ないものの、取り組むための準備や検討をしている企業も一定数存在することがわかります(図4)。
また、人的資本情報の可視化・開示においては、エンゲージメント向上や離職率低下などをきっかけに取り組みだした企業が強いことが分かりました(図5)。
しかし、業務過多で取り組みが進まない、採用難など他の課題が優先される、経営層の理解が乏しいなど、人的資本経営を進める際のさまざまな課題も浮かび上がりました(図6)。これらの課題を克服し、戦略的な人材管理を実現するためには、経営層のサポートや人事部の機能強化が必要であると考えられます。
この調査は、中小企業が直面する人的資本経営のリアルな状況を浮き彫りにし、今後の改善策や戦略立案に役立つデータを提供するものです。詳細な調査結果はjinjer株式会社のウェブサイトで公開されています。
執筆:熊谷仁樹