近年のデジタル化に伴い、企業のマーケティング手法は急速に変化しています。その中でも、SEO(検索エンジン最適化)は特に重要な施策として認識されています。しかし、株式会社メディアリーチが2024年11月に実施した「経営者・役員対象:SEO対策意識調査 2024・2025年」の結果から、企業が抱える課題や意識の変化について明らかになりました。





調査は、全国の22歳〜59歳の経営者や役員を対象に行い、500名のサンプルからデータを集計しました。主な調査内容には、SEO対策に対する認識や実施状況、予算配分、課題などが含まれています。この結果により、多くの企業がSEO対策の意義を理解しているものの、実行に移していない実情が見えてきました。





(出典:株式会社メディアリーチ)




調査結果によると、SEO対策を「非常に重要」または「重要」と評価する企業は40.6%に達しています。これは約4割の企業がSEOの効果を認めていることを示しています。しかしながら、「どちらともいえない」と回答した企業が41%と最も多く、SEOの具体的な価値に対する理解や確信が不足している状況も浮き彫りになっています。特に、SEOの効果が目に見えにくいことが影響しており、企業がSEOをマーケティング施策として検討する段階にあることが分かります。





(出典:株式会社メディアリーチ)




現在、具体的にSEO対策を実施している企業は全体の24.4%であり、実施率は依然として低いと言えます。一方で、「現在は実施していないが今後実施予定」と回答した企業が18%も存在しており、潜在的な関心の高さが伺えます。しかし、過半数の44%が「現在も今後も実施予定がない」と回答しており、全ての企業がSEO対策を必須と見なしているわけではありません。このデータから、SEO導入への理解促進の必要性が見えてきます。





(出典:株式会社メディアリーチ)




企業がSEO対策を行う主な目的として最も多かったのは「新規顧客の獲得」で、40.57%を占めています。これは、多くの企業が新規市場の開拓やリードジェネレーションでのSEO活用を期待していることを示しています。また「ウェブサイトのアクセス増加(集客強化)」や「自社ブランドやサービスの認知度向上」にも注力している状況です。しかし、「既存顧客のエンゲージメント向上」や「広告費削減」の目的は相対的に低いため、SEOの活用がまだ特定のフェーズにとどまっています。





(出典:株式会社メディアリーチ)




調査によると、SEO対策に充てる年間予算で最も多かったのは「100万円未満」で、全体の36.79%を占めています。このことから、多くの企業が、SEOに対して慎重な姿勢を持っていることがうかがえます。また、「100~300万円未満」「300~500万円未満」「500万円以上」という項目にも一定数の回答がありますが、全体的にSEOが多額の予算を必要とする施策とは認識されていないようです。





(出典:株式会社メディアリーチ)




SEO対策を行う上での課題として「効果が見えにくい」が最も多く、47.17%を占めています。この要因は、SEOが長期的な取り組みであり、他の広告施策に比べて具体的な成果が現れにくいという特性が影響しています。また「社内リソースが不足している」との回答も多く、特に中小企業においては限られたリソース内での成果が求められる実状が浮かび上がります。さらに、専門的な知識を持つ人材の不足も重なり、外部のパートナーを活用する必要性が高まっています。





調査結果から、企業の多くがSEO対策の必要性を感じているものの、実施率や予算の配分には課題が多く見られました。特にSEOの効果を可視化し、具体的な成功事例を提示することで、企業におけるSEOへの理解を促進する必要があります。企業が新規顧客獲得やブランド価値向上をするためにSEOを活用する意義を明確に伝える施策が今後さらに求められるでしょう。また、SEOは中長期的に安定した効果を発揮する施策であるため、継続的な取り組みが重要になります。





【関連リンク】
株式会社メディアリーチ
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執筆:小松由奈


情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 SEO対策の現状から、企業が抱える課題が明白に…