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住友生命保険相互会社(以下「住友生命」)は、2021年8月から株式会社エクサウィザーズと共同で、AIを活用した営業職員体制の進化プロジェクトを開始しました。このプロジェクトの一環として、AIを活用した顧客情報管理システム(以下「本システム」)を2024年11月25日より、約3万人の営業職員を対象に運用開始することを発表しました。この新システムの導入により、営業活動の質を向上させ、顧客対応の精度を高めるとともに、営業職員の育成にも大きな変革がもたらされることが期待されています。
住友生命は、2030年に向けたビジョン「住友生命グループ Vision2030」の中で、ウェルビーイングに貢献する保険会社を目指し、保障に加えて健康増進サービスやウェルビーイングサービスの提供を進めています。これらのサービスを効果的に提供するためには、顧客の意向や状況を的確に把握することが重要です。
従来、営業職員が収集した顧客情報を営業端末に入力し活用していましたが、本システムの導入により、より正確かつタイムリーに顧客情報を把握できるようになります。これにより、営業職員は顧客に最適な情報を適時提供でき、顧客視点に立った営業活動を強化することが可能となります。また、上司との情報共有も容易になり、AIのサポートを受けて標準的な営業指導も提供されるため、指導レベルの底上げも期待されます。
本システムには以下の機能が搭載されています。
データ活用による顧客対応サポート
営業活動により取得したデータを活用し、顧客対応のリマインドや次に行うべきアクションの提案が行われます。営業職員は、日々の活動や顧客の反応をダッシュボードで確認し、効果的な対応を実行できます。継続的に進化するシステムで、活動データの蓄積により、顧客満足度を高める資料やアプローチ手法が提案される機能が追加される予定です。
顧客とのコミュニケーションアドバイス
AIが顧客の趣味や興味に基づき、コミュニケーションを深めるためのアイスブレイクのヒントを提供します。
お礼状の作成
営業活動状況に基づき、AIが適切なお礼状の文面を生成し、スマートフォンで読み取ることでテキストとして顧客に送付できます。
各拠点における均質な指導
全国1,500拠点で育成を進めるため、本システムにより全国的に均質で高水準の指導が行えるようになります。
住友生命は、健康増進型保険「Vitality」の提供を通じ、顧客との接点を増やしてきました。本システムの導入により、営業職員は顧客により適切なタイミングで適切な情報を提供できるようになります。AIを活用し、営業活動の質を向上させることで、営業職員の入社5年後の在籍率を40%に引き上げ、持続可能な営業職員体制を構築することを目指しています。
住友生命は、AIを活用した新たな顧客情報管理システムを導入することで、営業職員の活動を高度化し、顧客のウェルビーイングに貢献することを目指しています。このシステムの導入により、営業活動の質の向上、顧客対応の強化、そして営業職員の働きがいを向上させることが期待されています。
執筆:糸井貴行