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最近、アクトインディ株式会社が実施したアンケートによると、子どもが迷子になったり、ヒヤリとする体験をした保護者が多いことが明らかになりました。この調査結果から、子どもの居場所を把握するための対策や、現在のデジタル環境におけるGPS端末の利用状況について深掘りしていきます。
近年、子どもが1人で外出する機会が増えていることが調査によって示されています。アンケートによると、子どもが習い事や塾に1人で行くことが「よくある」と回答した保護者は14%、また「時々ある」という回答も21%あり、全体の35%の家庭が子ども1人での行動を経験していることがわかりました(図1)。
特に、小学校低学年になるとこの割合が急激に上昇し、9歳から12歳の子どもで「よくある」とする回答が約26%に達し、13歳以上では46%に達します(図2)。これは、年齢が上がるにつれて子どもに対する信頼や独立心が育っていることが反映されています。
子どもとの外出時や旅行時に「ヒヤリ」とした経験を持つ保護者も多く、約60%が「子どもの姿を見失った」と答えています(図3)。
このような状況では、保護者は瞬時に子どもの居場所を確認したいと強く思います。具体的なケースとしては、買い物中に子どもが気づかぬうちに別の通路に行ってしまったり、商業施設での混雑する場面で迷子になってしまった事例が多数報告されています。このような情報は、今後、子どもたちがより安全に行動できるような対策を考える上で重要な資料となります。
保護者が子どもの居場所を知りたいと思う時はどのような状況なのでしょうか。調査によると、「子どもとはぐれた時」が最も多い回答であり、続いて「近所の公園に出かけた時」「学校の行き帰り」「留守番をしている時」が続きました(図4)。
77%の保護者が「万一不審者や事故などの被害にあっていないかを確認したい」と回答しており、非常に多くの保護者が子どもの安全を最優先に感じていることがわかります(図5)。また、災害やトラブルに遭遇した際にも、迅速に子どもの状況を把握する必要性が高まります。
子どもに位置情報がわかる端末を持たせているかについて尋ねたところ、「持たせている」と回答したのは32%にとどまり、68%の家庭が子どもにGPS端末を持たせていない状況です(図6)。
しかし、小学校入学時にはその所持率が急激に上昇する傾向が見られ、具体的には「子ども用GPS端末」が最も多く利用されています。次いで「スマートフォン」や「キッズケータイ」が多く、年齢が上がるにつれて、端末を変更する家庭が増えていくようです(図7)。
保護者は、子どもにGPS端末を持たせる際に何を重視しているのでしょうか。アンケート結果によれば、最も多くの保護者が「月額の通信料金が手ごろだから」という理由で子ども用GPS端末を選択していることが明らかになりました(図8)。次に「端末の購入価格が手ごろ」といったコスト面も重視されています。また、スマートフォンなどのインターネット接続ができる端末を持たせることに対しては「ネットや動画視聴、SNSをしてほしくない」という意見も多く、GPS端末の方が安心感を持てるという声が多く見受けられます。
本調査から、子どもの居場所を把握するためのニーズは非常に高く、またその実現に向けた技術も進化しています。子どもが行動する機会が増える中で、保護者はその安全を確保しつつ、安心して子どもを見守る方法を模索しています。今後、技術の進化により、より手軽で安全に子どもの居場所を把握できるツールが提供されていくことでしょう。子どもたちが自らの意思で外に出て楽しむ一方で、親が安心できる環境を整えることが、今後ますます重要になっていくと考えられます。