2024年8月1日、北海道の江差町にて新たな地域交通の形態「江差マース」が本格運行を開始します。この取り組みは、地域住民の移動の利便性を向上させるために、株式会社駅探が実施するMaaS(Mobility as a Service)事業です。地域公共交通の維持・活性化を目指す「江差マース」の仕組みや特長について、詳しく見ていきましょう。

「江差マース」とは、江差町エリアにおいて住民向けに提供されるオンデマンド配車サービスです。本事業は、地域の交通網を充実させるために設計されており、特に高齢者や子育て中の家庭など、移動手段に困っている方々を主な利用対象としています。市民のニーズをしっかりと捉え、アプローチすることで、地域の交通環境を整備することが狙いです。

このプロジェクトは、2020年11月に締結された「北海道地域でのMaaS事業展開に関わる業務提携」に基づいています。3年間にわたる実証実験を踏まえて、本格運行を迎えるに至りました。国土交通省が採択した「共創モデル運行実証プロジェクト」にも参画し、配車システムや決済手段の最適化、住民の交通ニーズの把握に力を注いでいます。これまでの実績を基にした「江差マース」のサービスが、地域の移動を支える役目を果たします。

「江差マース」は、運行開始日が令和6年8月1日で、月曜日、火曜日、木曜日の週3日運行されます。運行時間は午前9時から午後5時までで、98カ所の乗降地点を設定し、登録された自宅とその間の移動を可能にします。サービス利用対象者は、事前に登録された方およびその同伴者となっています。

予約は電話やLINEアプリから簡単に行えます。専用のLINE公式アカウントを友達登録することで、よりスムーズな予約が可能です。運賃に関しても柔軟に設定されており、乗り合いなしの場合は500円、乗り合いありの場合は300円とされています。さらに、福祉割引や学割など多様な割引運賃も用意されており、幅広いニーズに応えています。特に乳幼児は保護者同伴であれば無料で利用できます。

「江差マース」には、地元店舗や商店街の情報配信、お買い物クーポンの配信、自治体イベント情報の配信などの機能が搭載されています。特にスマートフォンを利用するユーザーに向けて、最新情報をタイムリーに配信し、地域とのつながりを深めるサポートをしています。また、これにより利用者が周辺の商業施設やイベントにアクセスしやすくなることで、地域経済にも良い影響を与えることが期待されています。

「江差マース」は、江差町における公共交通の新たな形として注目されています。住民の移動の利便性を向上させ、地域活性化に寄与するこの取り組みは、今後の地方自治体におけるMaaS展開のモデルケースとなることでしょう。安心・安全で快適な地域交通の実現を目指し、今後も進化を続ける「江差マース」に期待が寄せられます。

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 北海道のMaaSを加速、デマンドバスの配車予約システムを使って公共交通の維持・活性化見込む