株式会社Phoxterは、大阪府茨木市にある物流施設「LOGI’Q南茨木」にR&Dセンターを開設し、東急不動産株式会社およびNTTコミュニケーションズ株式会社と連携して実証実験を開始しました。このR&Dセンターでは、自社製の自動搬送ロボット(AMR)の開発・改良を推進し、物流DXのトータルソリューションを促進します。

Phoxterは2017年の創業以来、累計100社以上に2,000台以上のAMRを用いた自動搬送ソリューションを提供してきました。近年、人口減少や「2024年問題」を背景に、物流業界では効率的な倉庫運営と作業省人化のニーズが高まっています。特に、2024年4月から施行される「2時間ルール」(荷待ちや荷役作業にかかる時間を2時間以内とするルール)への対応が求められており、物流倉庫内の作業効率化・合理化・見える化が重要な課題となっています。

この課題に対応するため、PhoxterはR&Dセンターを物流工程の合理化におけるDXソリューションの検証の場と位置づけ、様々な自動化機器を用いた実証実験を行います。具体的には、自動搬送フォークリフト(AGF)、カートン搬送ロボット(CTU)、3Dパレットシャトル、3Dソーター、ピッキングロボット、パレタイズロボットなど、入庫から出庫に必要な自動化機器を活用し、最適なトータルソリューションの検証を行います。また、自社製コントローラー「StellaController 2.0」のAI画像処理機能を用いた画像検品や、高速通信技術を活用したリアルタイムのデータ収集・分析により、新たなソリューション開発と予防保全サービスの提供を目指します。

さらに、東急不動産とローカル5Gの検証、NTTコミュニケーションズとローカル4G(sXGP通信)の検証を行い、高速かつ安定した無線環境を簡単に構築できる次世代の搬送システムを開発します。従来のWi-Fi通信では電波干渉やアクセスポイントの配置などの課題がありましたが、新通信技術の導入によりこれらの問題を解決します。

R&Dセンター内には、LOGI’Q南茨木に入居している株式会社ヤハタおよび株式会社ウェルファンに対してPhoxterのAMRシステムを導入します。これにより、荷主との連携体制を強化し、物流DXの実証実験や効果検証を進めます。

今後、Phoxter、東急不動産、NTTコミュニケーションズの3社は、高品質なネットワークやクラウド、セキュリティサービスによる遠隔操作・監視など、さらなる技術革新と市場展開を推進します。これにより、物流業界や製造業のDXを促進し、全体最適な物流システムの構築と最適な提案を行う体制を目指します。また、物流自動化や工場自動化を検討している事業者向けに、2024年9月17日よりR&Dセンターを公開する予定です。

執筆:糸井貴行

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 物流施設に自動搬送ロボット導入、倉庫の効率化や見える化を目指す