- 週間ランキング
KDDIとローソンは2025年7月24日、東京・高輪に開業した「TAKANAWA GATEWAY CITY」内にあるKDDI本社の社員専用フロアに、「ローソン S KDDI高輪本社店」を開設したと発表しました。この店舗はオフィスで働く人のパフォーマンス向上を目的とした新しいコンビニの形を提案する実証店舗です。レジが存在しない無人型の構造と、専用アプリによるスマホ完結の購買体験を特徴としています。
本店舗は、KDDIとローソンが共同で進める「Real×Tech LAWSON」構想の一環として、最新テクノロジーとオフィスワーカーの行動データを融合させた次世代の購買環境を提供します。社員専用という限定された空間を活用しながら、利便性だけでなく体験価値の最大化を目指しています。
「オフィスローソンアプリ」を軸とした体験では、スマホ上で商品のバーコードをスキャンすることなく、履歴や嗜好に基づいて商品をワンタップでカートに追加可能です。会計もそのままアプリ内で完了し、レジに並ぶ必要はありません。また、アプリは過去の購買傾向をもとにパーソナライズされた商品をレコメンドしてくれるため、自分のライフスタイルに合った提案を受けながら、効率的に買い物ができます。
さらに注目されるのは、配送ロボットを活用した新しい販売形態です。ロボットはフロアを自動巡回しており、社員はアプリでロボットの位置や商品在庫を確認し、近くに来たロボットから商品を取り出してその場で決済できます。加えて、KDDI高輪本社内にある別のローソン店舗からのデリバリーも可能で、注文するとロボットがエレベーターと連携して執務室まで商品を運んでくれます。
今後は、オフィス内の空きスペースを活用した無人特設店舗の開設や、商品在庫に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングの導入も予定されています。例えば、消費期限の近づいた商品を自動で割引価格にし、アプリで通知を送ることで、フードロスの削減にもつなげる狙いです。
こうした一連の取り組みは、単なる利便性の向上にとどまりません。昼休みの混雑やレジ待ちのストレスを解消し、働く人が短い休憩時間でも食事や買い物を快適に済ませられるようになることで、生産性や業務満足度、さらには職場への愛着の向上にもつながると期待されています。
KDDIとローソンは今後も、本店舗を実験場としてユーザーの声を反映させながら、新たな技術の導入や機能拡張を進めていく方針です。そして、他企業のオフィスや多様なビジネス環境への展開も視野に入れ、オフィスコンビニの未来像を模索していきます。
詳しくは「KDDI」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部