日本百貨店協会は2025年7月25日、2025年6月の全国百貨店の売上高概況を発表しました。2025年6月の全国百貨店売上高は、総額で4,615億円余となりました。これは前年同月比で7.8%の減少となり、5か月連続のマイナスを記録しています。この業績推移は、前月の7.0%減とほぼ同水準で推移しております。

売上高減少の主な要因は、前年(2024年6月)に大きく伸びた免税売上(661億円)の反動です。休日数が土曜1日分減ったことによる入店客数の減少(2.0%減)も影響しました。

インバウンド(免税売上)は392億円で、前年同月比で40.6%の大幅な減少となりました。これは4か月連続のマイナスです。売上全体に占めるシェアは8.5%で、前年同月比13.8%減と2か月連続のマイナスです。国・地域別に見ると、香港や韓国からの購買客が大幅に減少した一方、タイやマレーシアからの客数は増加しています。購買単価は31.2%減と苦戦しました。

国内市場の売上高は、前年同月比で2.8%の減少で、こちらも5か月連続のマイナスです。売上全体に占めるシェアは91.5%で、札幌、京都、大阪の3地区で国内売上がプラスとなりました。しかし、これらの地域でも免税売上などの影響により、百貨店全体の売上は前年を下回っています。

商品別の動向 主要5品目は全て前年を下回りました。

  • 衣料品:全体で9.0%減となり、5か月連続のマイナスです。特に紳士服・洋品は10.1%減、婦人服・洋品は8.9%減、子供服・洋品は9.4%減でした。
  • 身のまわり品:20.5%減と大きく減少しました。ラグジュアリーブランドのバッグ、財布、靴などの高額品を含むこのカテゴリーは、前年の免税売上高伸の反動に加え、前年の価格改定前の駆け込み需要の影響も受け、二桁減となりました。
  • 雑貨:全体で8.7%減と4か月連続のマイナスです。化粧品は6.3%減となり、40か月ぶりにマイナスに転じました。ただし、国内ではUVケアやスキンケア商品が堅調に推移しました。美術・宝飾・貴金属は12.9%減でした。その他雑貨は1.4%増と2か月連続でプラスとなりました。
  • 家庭用品:全体で2.1%減と3か月連続のマイナスです。家電は31.8%増と大きく伸び、7か月連続のプラスです。
  • 食料品:全体で1.8%減となり、3か月ぶりにマイナスとなりました。これは価格高騰の影響などが要因と見られます。しかし、菓子は0.5%増と3か月連続でプラスを維持しました。国内外の手土産需要が好調だったことが要因です。生鮮食品は5.0%減で、15か月連続のマイナスです。
  • 食堂・喫茶:4.1%減となり、12か月連続のマイナスです。
  • その他(商品券やサービスを除く)は33.8%増と、2か月ぶりにプラスとなりました。
  • 商品券は12.1%減で、16か月連続のマイナスが続いております。

その他の要因 として天気が挙げられます。気象庁の発表によると、6月の天候は暖かい空気に覆われやすかったため、北・東・西日本ではかなり高い気温となり、1946年の統計開始以降、6月として1位の高温となりました。月降水量は西日本太平洋側で少なく、日照時間は北日本太平洋側と東・西日本太平洋側でかなり多かったとのことです。 月の後半からは気温が高い日が続いたことで、サングラスや晴雨兼用傘などが好調でした。また、クリアランスセールも夏物衣料を中心に好調な滑り出しを見せています。 中元商戦においては、ギフト市場の縮小傾向により贈答品の件数は減少しましたが、自家需要は堅調に推移しました。

詳しくは「日本百貨店協会」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 全国百貨店の6月の売上高は前年同月比7.8%減、5ヵ月連続のマイナスを記録