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Arcserve(アークサーブ)は2025年1月29日、事業戦略説明会を開催しました。サイバー攻撃による被害が後を絶たない中、データを保護するバックアップやリカバリ環境構築の重要性を訴求しました。
説明会ではアークサーブのCEO クリス・バベル氏が登壇。サイバー攻撃の現状と、対応するための同社の取り組みを紹介しました。バベル氏は、日本で深刻化するランサムウェア被害について言及。とりわけ中小企業の被害が増えていると指摘しました。「被害を受けた企業の多くが復旧までに1週間以上を要し、業務の停滞が深刻なダメージを与えている」と述べるとともに、「ランサムウェアによる脅威は企業規模を問わず、全ての企業にとって共通の課題になりつつある。大企業が標的だった以前とは異なり、中小企業も脅威に備えた対策を講じなければならない」と、中小企業の環境整備を促しました。
なお、同社はデータの漏洩などに備えたバックアップソリューションを展開。迅速に業務復旧できる環境を整えるために、統合型データ保護ソリューション「Arcserve UDP」や、クラウドバックアップ「Arcserve Cloud Direct」、専用アプライアンス「Arcserve UDP Appliance」などのラインナップを揃えています。「物理と仮想環境が混在するサーバー環境でも一元的にバックアップできるのが当社ソリューションの特徴であり強みだ。サーバー環境を気にすることなく、統一したバックアップを実現できる」(バベル氏)といいます。
一方、バベル氏は最新の脅威についても言及しました。「誰でもダークウェブにアクセスし、ハッキングツールを簡単に入手できる時代だ。さらにはAIを駆使した攻撃手法も急速に増えている。企業のデータを狙う脅威はますます高度化している」(バベル氏)と指摘。最新脅威に追随する対策の必要性を強調しました。
アークサーブはこうした最新の脅威への対策にも余念がないといいます。同社は現在、AIを活用したバックアップソリューションの強化を進めているといいます。具体的にはバックアップ時の異常を検知する機能を装備。データの改ざんや不正アクセスを即座に検出できるようにしています。「バックアップは単なるデータの保存手段にとどまらない。攻撃を早期に察知するセキュリティ対策の1つである」(バベル氏)とし、アークサーブの技術が単なる復旧手段にとどまらないことを強調しました。
説明会では日本市場向けの戦略も発表。中小企業向けのソリューション展開を強化する方針を示しました。特に、AIを活用した自動化機能を強化し、情報システム部門の負担を軽減できるようにするといいます。「企業の情報システム部門は限られたリソースでセキュリティ対策を講じなければならない。スタッフの負担を軽減し、よりシンプルに管理できるソリューションを提供することが当社の使命だ」(バベル氏)と述べました。
さらに、2025年の製品ロードマップについても言及。オンプレミス型のソリューションやクラウド型のデータ保護ソリューションを順次発表する計画を明らかにしました。「データ保護は企業の存続に関わる重要なテーマだ。当社はより強力で柔軟性の高いソリューション開発に注力する。こうした取り組みを通じて、日本企業のデータレジリエンス向上を支援したい」(バベル氏)と述べました。
【関連リンク】
Arcserve
https://www.arcserve.com/jp