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わずか8秒の心音&心電図データから、血液マーカーBNP値を高精度予測──熊本大学とAMI社が開発したポータブルデバイスが、心不全診断を非侵襲かつ即時に実現。患者負担激減&在宅モニタリングへの応用が始まります。
熊本大学大学院とAMI株式会社が共同で開発した「心音図検査装置AMI‑SSS01」は、心音と心電図を同時に計測するポータブル機器。深層学習モデル「eBNP」が8秒間のデータからBNP値を推定し、感度84.3%・特異度82.9%、AUROC0.895という高精度を実証しました。
従来のBNP測定は採血と検査に時間と身体的負担を要しましたが、本技術は非侵襲かつ即時推定を可能にし、診療現場や在宅での心不全スクリーニング・経過観察を大幅に効率化。特に高齢患者や頻繁な採血が難しいケースでの活用が期待されます。
今後は、体格や腎機能、心房細動といった影響因子を考慮したモデル精緻化を進行中。遠隔医療プラットフォームとの連携による在宅モニタリング機能や、クリニックでの導入拡大が見込まれ、心不全の早期治療開始と再入院抑制に貢献する新たなケア標準となるでしょう。
詳しくは「国立大学法人熊本大学」まで。
レポート/DXマガジン編集部 海道