日本の消費者がログイン体験に対して強い不満を抱いていることが、Oktaの「Customer Identity Trends Report 2025」の調査結果から明らかになりました。調査によると、71%の日本の消費者が「長いサインアップ/ログインフォームへの入力」を最大の不満要因と感じており、これは調査対象国の中で最も高い数字です。他の不満項目としても「パスワードの要件を満たすこと」や「ログインにかかる時間」が多く挙げられています。しかし、興味深いことに、実際にオンライン購入を断念したことがあると答えた日本の消費者は17%で、これは世界平均の23%を下回っています。つまり、日本の消費者は不満を感じながらも、サービスを利用し続けているのです。

調査は日本の消費者がログイン認証手段に対して「利便性」と「安全性」をどのように評価しているのかも示しています。多くの認証手段において、日本の評価は世界平均を下回っています。たとえば、パスワードに対する「便利」との評価は56%であり、世界平均の73%とは大きく数値が乖離しています。特に指紋認証や顔認証に対する評価も、世界的な傾向に対して低く出ていることが課題として浮かび上がります。これにより、より便利で安全な認証手段の導入が不可欠であることがわかります。

調査結果にはパスワード再利用の現状についても触れられています。驚くことに、日本では71%の消費者が何らかの形でパスワードを再利用しており、その中でも31%は「すべての個人アカウントで同じパスワードを使っている」と回答しています。この傾向は特にZ世代に顕著であり、リスク管理の観点から問題視されるべきです。企業はこの状況に対処する要件を見出さなければなりません。

消費者がAIエージェントを利用しない最大の理由として「個人情報への不安」が挙げられています。世界全体の調査で「個人データを預けるのが不安」との回答が44%を占める中、日本ではその割合が20%程度でした。とはいえ、多くの消費者がAIに対して慎重な姿勢を貫いていることは確認でき、特にZ世代は「倫理的ガイドライン」を重視する傾向が見られます。これは、今後の技術の進化においても重要な観点となります。

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レポート/DXマガジン編集部小松

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 ログインに不満でもオンライン購入はやめない日本人。影響する“安全性への価値観”とは?