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長年親しまれてきた朝日新聞の土曜夕刊が、2025年8月から休止されることが発表されました。この一見すると「紙離れ」の象徴とも思えるニュースの裏には、日本のメディア業界が直面する、より深刻な「人手不足」という課題と、喫緊のDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が隠されています。
株式会社朝日新聞社は、2025年8月1日より東京・大阪本社で発行している土曜日の夕刊を休止すると発表しました。この決定の主な理由は、新聞販売所(ASA)の人手不足が深刻化しており、従業員の労働環境を維持・改善するためと説明されています。土曜日の新聞配達は朝刊のみとなり、最終発行日は7月26日となりますが、月曜日から金曜日の夕刊は引き続き発行され、購読料は据え置かれるとのことです。
この夕刊休止は、単なるコスト削減や紙媒体の需要減少だけでなく、新聞配達という労働集約型ビジネスが直面する人手不足の深刻さを浮き彫りにしています。これは、メディア業界全体が、コンテンツ制作だけでなく「流通」のDXを喫緊の課題として捉えなければならないことを示唆しています。
新聞業界は、デジタル化の波に加えて、少子高齢化による労働力人口の減少という構造的な課題に直面しています。特に、早朝や深夜に及ぶ新聞配達業務は、若年層の確保が難しく、高齢化が進む販売所の負担は増大する一方です。
このような状況下で、メディア企業は抜本的なDXを迫られています。例えば、デジタル配信への完全移行、AIによる記事生成・編集支援、さらにはドローンやロボットによる配送実験など、従来のビジネスモデルを根本から見直す時期に来ていると言えるでしょう。
詳しくは「株式会社朝日新聞社」まで。
レポート/DXマガジン編集部海道