子どもたちの心の中には、「声なき声」がたくさん眠っています。この声を誰が、どうやって社会に届けることができるのでしょうか。特定非営利活動法人OVAは、AI技術を活用し、こどもたちが抱える困難を可視化する新たな挑戦を始めました。彼らの取り組みは、自殺関連の相談データをAIによって整理・分析し、こどもたちの悩みごとを社会に響かせるものです。

AIを駆使したブロードリスニングツール「Talk to the City」を利用し、10代以下の相談内容をクラスタリング。これにより、こどもたちが抱えるメンタルヘルスの問題や将来への不安、孤立感などが明らかになり、その実態を体系的に整理しました。具体的には、孤独感を訴える相談者が多く、家庭環境や学校での人間関係が大きなストレス要因であることが判明しました。

実際の相談内容には、親の理解不足や、友人関係の悩み、学校に通うことのつらさなどが含まれています。例えば、ある相談者は過保護な親による行動制限に悩み、またある相談者は学校のプレッシャーを抱えていました。このような「声なき声」を可視化することで、社会は初めて子どもたちの苦しみに耳を傾けることが可能になります。

OVAの代表理事である伊藤次郎氏は、この取り組みの意義を強調しています。「周囲に相談できずに孤独・孤立状態にある声に支援を届ける」ことを目指し、AIを活用したデータ分析を進めています。これは、社会の中で見過ごされがちな子どもたちの問題を明らかにし、適切な支援を受けられる社会を築くための重要な第一歩です。

このプロジェクトは、単なるデータ分析にとどまらず、子どもの問題を一般社会に広めるための重要な役割を果たしています。今後もOVAは、AIを活用して子どもたちの心の声を可視化し、孤立した問題を解決するためのアプローチを継続していくでしょう。

詳しくは「特定非営利活動法人OVA」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部熊谷

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 AIが子どもの「声なき声」を可視化!見えない苦しみに光を当てる