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東京海上ホールディングスなど11社は2024年11月13日、「物流コンソーシアム baton」の発足を発表しました。このコンソーシアムは、国土交通省が掲げる総合物流施策大綱の目標である「簡素で滑らかな物流」「担い手にやさしい物流」「強くてしなやかな物流」の実現を目指し、物流業界内外の垣根を超えた取り組みを推進するものです。「baton」という名称には、「企業や人々を結び、新たな未来へのバトンをつなぐ」という意図が込められています。
物流業界では、トラックドライバーの不足や輸送力の低下、長時間労働といった課題が深刻化しています。特に、労働環境の改善やトラック稼働率・積載率の向上、中小運送企業の収益性向上は急務とされています。こうした背景を受け、「baton」は物流業界の効率化や労働環境改善に向けた取り組みを加速するために設立されました。コンソーシアムの主な目的は、物流需給ギャップの解消を目指した「中継輸送」の実現です。この取り組みは、長距離輸送を分割し、効率的かつ安全な輸送ネットワークを構築することを目指しています。また、物流業界内外の関係者が協力しやすい中立的かつオープンな場を提供することで、社会的価値の創出を図ります。
今後の活動内容として、以下の4つの領域に注力します。
運ぶ:物流の効率的なマッチングを実現。
繋ぐ:中継拠点の確保と整備。
支える:ドライバーの労務環境や健康状態の向上。
備える:新たな物流形態へのリスクマネジメント。
これらの取り組みを通じて、日帰り輸送の実現や労働環境の改善、物流生産性の向上、さらに物流業界の魅力向上を目指します。2025年4月の本格始動を目標に、準備期間中には具体的なテーマ選定や実行計画を進める予定です。創立メンバーには、セイノーホールディングス、福山通運、東京海上ホールディングスをはじめとする大手企業が名を連ねています。また、業界団体や学術機関からのアドバイザリーメンバーも参加しており、幅広い知見を活用して活動を推進します。参画企業の拡大も予定されており、物流業界全体での協力を目指します。「物流コンソーシアム baton」は、物流の効率化だけでなく、持続可能な成長を目指し、労働環境の改善や地域社会への貢献を含めた総合的な物流施策を展開していきます。
執筆:DXマガジン編集長 折川