オルツは、AIクローン技術を応用したマッチングシステム「CloneM&A」を活用し、リログループ傘下の株式会社リロクリエイトのM&A支援を成功させました。これは、企業のAIクローン同士を仮想的に面談させる「クローンマッチング技術」を用いた、世界初のM&A成約事例です。

リログループは、不動産BPO領域における新規事業の拡大を目指し、適切なパートナーを探していました。一方、譲渡企業側は、当初はリログループを提携候補として認識していませんでしたが、CloneM&Aによって両社のシナジーと適合性が明確に示され、わずか約5か月という短期間で成約に至りました。従来の属人的なM&A手法では見逃されがちな潜在的なニーズを引き出し、精度の高いマッチングを実現したことが、この成功の大きな要因となりました。

「CloneM&A」は、大規模言語モデル(LLM)を活用して売手企業のAIクローンを生成し、データベース内の数千の買手企業クローンと仮想面談を実施します。このプロセスで、事業シナジーやマッチングスコアを算出し、最適なパートナー候補を迅速に探索することが可能です。売手企業の音声データや事業資料などを包括的に学習するため、従来のキーワードマッチングを超えた精度を実現しています。また、試験運用では、秘匿性の高さと初期段階からの納得感あるマッチングが評価され、M&A業界の平均を大幅に上回る成果を記録しました。

今回の事例は、CloneM&AがM&Aにおける新しい可能性を切り開いた象徴的な事例であり、AI技術が従来型のM&A手法をいかに刷新できるかを示す重要なマイルストーンとなりました。オルツは、今後もM&A領域における課題をAIの力で解決し、日本の経済と社会に新しい価値を提供することを目指しています。一般提供は2024年末を予定しており、さらなる進化が期待されます。

レポート/DXマガジン編集部折川

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 AIがM&Aの買い手企業をマッチング、企業のAI同士が仮想面談することでスピードM&Aを実現