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新しいチャレンジや夢に向かって走り続けている輝くビジネスパーソンに「運命を変えた出逢い」をお話いただく企画。
第一線を駆け抜ける彼らの出逢いのエピソードから、新しい人脈を作るヒントや、仕事のモチベーションアップのきっかけを探ります。
2014年5月にリリースしたアプリ「映画ランド」はノープロモーションにして利用者数85万人を突破(2017年6月時点)。人気の背景には、映画館への集客を増やし映画鑑賞の仕組みやスタイルを変えたいという熱い想いがあった。今回は、ホットモブ・ジャパン株式会社 代表取締役ジェイソン・ウォンさんに『わたしを動かした出逢い』についてインタビューさせていただきました。
ーーはじめに、ホットモブ・ジャパンの事業内容について教えてください
ホットモブ・ジャパンは、香港で2007年に創立されモバイル広告のリーディングカンパニーとして、香港をはじめアジアを中心にモバイル広告市場を展開している「Hotmob」のジョイントベンチャーです。2013年に創立されました。
主な事業は、映画チケット予約アプリ「映画ランド」の開発、運営。そして、5年前よりスタートした「リッチメディア広告」の制作と配信を行っています。
ーーそもそもウォン社長が来日したきっかけは何ですか
私は香港出身ですが、小さい頃から娯楽と言えばテレビでした。日本映画も放映されていて良く観ていたのですが、心情が丁寧に描かれるところや、リアリティ溢れる話の展開がとても好きになり日本映画に夢中になっていました。
その後、18歳になって初めて「映画館のスクリーンで映画を観る」という体験をしたのですが、あまりに素晴らしすぎて衝撃的な体験でしたね。
日本で言うところの高校卒業をした時点で、香港大学に進学する予定でしたが、あの体験が忘れられず「自分が作った映画をスクリーンに流して、人々に感動を与えたい!」と思い日本へ留学し映画を勉強する決意を固めました。
ーー「映画監督」になりたかったと
そうですね。映画監督になりたいと思ったことが来日のきっかけでした。親は会計士を目指して欲しかったようですが・・・自分で学費も払うという条件のもと送り出してくれました。
学校では、映像制作について学び、卒業制作で発表した脚本が選ばれて作ることができたのがものすごく嬉しかったです。ただ、ちょうど東日本大震災に見舞われた年だったので、その後香港へ帰還命令がありましたが、どうしても日本で仕事がしたいと学校の先生に相談し、推薦状を書いてもらいなんとか「映画宣伝専門会社」へ就職が決定しました。
ーーまずは宣伝会社に勤務されて、どのような仕事に携わったのですか
KPOPや韓流ドラマ全盛期だったこともあり、中華圏の新規開拓をすすめることになりました。
新卒で入社したばかりでしたが、社長直下のもとビジネススキルを学ぶことができる貴重な経験をさせてもらえました。
中華圏ドラマ・映画のキャッチコピーやビデオレンタル店のプロモーションを考えたり、自ら企画しアプローチすることはもちろん、市場調査やマーケティングの部分でも携わるチャンスをもらいました。
社長が自分を信じて、その事業を任せてくれたことが嬉しかったですし期待に応えたいと思いましたね。
ーーその後「ホットモブ・ジャパン」の代表に就任した経緯を教えてください
その宣伝会社に3年半勤めた頃、親の都合もあり香港に一度帰国する必要がありました。今まで経験したことを活かして香港支社を立ち上げる話もありましたが市場の変化もありうまく行きませんでした。
タイミング同じくして様々なインターネットサービスやビジネスから「香港市場の展開」について相談されることが多くなったので、25歳の時、自ら香港で起業することにしました。主にアプリ・サイト運営などを手がけていましたが、ずっと胸には「また日本で、また映画関係に携わりたい」と言う気持ちはありました。
ほどなくして、香港「Hotmob」で代表を務めるジョニー(Johnny)と出逢いました。
ーージョニーとの出逢いもひとつのターニングポイントですね
はい、「Hotmob」は広告制作とアドネットワークを手がける会社で日本市場に展開したいとジョニーから相談を受けました。お互いの目的や意見も合致したので、日本に戻って会社を立ち上げることにしました。
実は「Hotmob」はGTグループと言うグループ傘下にあって、同じグループに『映画ランド』の母体となるようなサービスを展開している関連会社があったんです。開発力もあるし、日本でやってみたいという話になりました。
ーー『映画ランド』のコンセプトを教えてください
『映画ランド』は、映画チケットの予約が簡単に行えることが強みのアプリです。
アプリ内にはユーザー投稿レビューのほか、ニュースやプレゼントキャンペーンなど映画にまつわる情報を豊富に得ることができますが、それ以上に位置情報や上映時間からスマートに映画チケットを予約できる機能が特徴です。全国の映画館を網羅していることもあり、利用者数はサービスローンチからわずか3年で利用者数85万人を突破しています。
私自身、映画館のスクリーンで作品を観ることに感動した実体験があるので『映画ランド』を通じて、世の中の人々に今よりもっと映画自体だけでなく、映画館という「空間」も楽しんでもらいたいという想いがあります。
今後は、映画館を中心としたコミュニティや今までにないモデルを構築し、イノベーションカンパニーとして映画業界全体を盛り上げていきたいです。
ーー最後に、会社を経営していくうえで大事にされていることを教えてください
自分が考える良い会社は、決して人数が多い会社ではありません。たとえば、30人規模で一人ひとりが1000万以上稼げるような、少数精鋭で仕事をしている会社の方が幸福感を得られると思っています。
そういった会社にしていくためにも、自分が前職の社長にしていただいたように「社員を100%信じて仕事に責任感と使命感を持ってもらう」ことこそが会社全体の成長につながっていくと確信しています。
■ホットモブ・ジャパン株式会社
URL http://www.hot-mob.co.jp/
設 立 2013年10月28日
代 表 ジェイソン・ウォン(Jason Wong)
所在地 東京都中央区新川二丁目20番8号 HATCHOBORI SQUARE 5階
主な業務 映画チケット予約アプリ「映画ランド」の開発・運営
スマートフォン広告(リッチメディア広告)の制作・配信
ジェイソン・ウォン(Jason Wong)
1986年生まれ。香港出身。幼い頃よりテレビで放映される「日本映画」に興味を持ち、18歳のころ初めて映画館のスクリーンで映画を鑑賞し、スケールの大きさに感動。その後、映画監督を目指し東京工芸大学に留学。卒業後、日本の映画宣伝専門会社に就職しマーケティングを学びながら新規事業立ち上げに携わる。最近ハマっていることはゴルフ。ゴルフ場(市場)を読み、敵は自分であり精神力で結果が左右されるゴルフは経営に似ているそう。