犬の『体が汚れてしまう』のはなぜ?主な原因や健康的な被毛を維持する方法までご紹介
普通に暮らしているだけで体が汚れる原因
1.フケの蓄積
犬の体は、表皮に覆われています。表皮は4層構造になっており、最下層にある角化細胞が増殖し、分化しながら徐々に上の層に上がっていき、最後は最上層の角質層ではがれ落ちます。これが、ターンオーバーと呼ばれる表皮細胞の一生です。
一般的に、健康な犬のターンオーバーは約3週間です。なんらかの理由でこのサイクルが短くなると、フケが目立つようになります。フケが体表に蓄積すると、皮膚の環境が悪化し、細菌やマラセチアなどが増殖しやすい状態につながることがあります。痒みで犬のQOL(生活の質)を下げるような皮膚病を予防するためにも、フケの蓄積は好ましくありません。
2.汗や皮脂の蓄積
皮膚には、汗腺と皮脂腺という、分泌物を出す腺があります。犬の体表に広く分布しているアポクリン汗腺は、粘り気があり体臭などのニオイの元となる汗を分泌します。この汗は、皮脂腺から分泌される皮脂と混ざり、体表の保護膜となって水分の蒸散を防いだり、病原菌の体内への侵入を防いだりしています。
また、皮脂には殺菌作用があると考えられていますが、古く汚れた皮脂は殺菌作用を失い、雑菌の餌になると考えられています。
3.抜け毛の絡まり
被毛にも、毛周期という毛の成長サイクルがあり、古い毛は抜けて新しい毛に生え変わります。抜けた毛の多くは飛散しますが、周囲の被毛に絡まり、体表に残ってしまう毛もあります。
長い被毛や蓄積した皮脂でベタついた被毛だと、抜け毛が絡まりやすくなります。絡まった抜け毛は毛玉となって通気性を悪化させ、皮膚を蒸れやすくしたり、他の汚れをさらにつきやすくしたりしてしまいます。
4.よだれや排泄物の付着
目やにやよだれは顔周りを、排泄物はお尻周りを汚す大きな原因になります。これらも、そのまま放置すると雑菌を繁殖させたり、皮膚の状態を悪化させたりする要因になります。
5.環境汚れの付着
室内に溜まったホコリや外の砂、泥、草、花粉など、環境中にもさまざまな汚れが存在し、犬の体に付着します。特に、皮脂でベタついたり毛玉がたくさん絡まったりした被毛には、汚れがつきやすいため、注意が必要です。
健康な被毛や皮膚を維持する方法
犬の体が汚れる原因がわかると、愛犬の皮膚と被毛の衛生を維持し、健康的な状態を保つために必要なケアもお分かりいただけるのではないでしょうか。愛犬の健康やQOLの維持につながる皮膚や被毛のケアには、下記が挙げられます。
- ブラッシング(トリミング)
- シャンプー
- 拭き取り
被毛の長さやタイプに関わらず大切なのが、ブラッシングです。ただし、被毛のタイプによって抜け毛の量や時期などに違いがあるため、ブラッシングの頻度は適宜調整しましょう。また長毛種の場合は、目やお尻の周りの毛をトリミングすることで、衛生面を維持しやすくなる場合もあります。
シャンプーは、古くなった皮脂や蓄積したフケ、外の汚れなどを落とすために大切なケアの一つです。ただし、過度なシャンプーは必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥肌など、かえって皮膚に悪い影響を与えることもあります。適度な頻度や肌質に合ったシャンプーを選ぶなどの注意も必要です。
散歩から帰宅した後は、足先や体についた汚れを、食事の後は口の周りについた食べかすを、トイレの後はお尻周りについた排泄物を、適宜拭き取りましょう。目やにやよだれなども、気づいたらこまめに拭いてあげましょう。
なお、フケ、皮脂、目やに、よだれなどが急に増えたり、ニオイが変わったりした場合は、病気が隠れている可能性がありますので、早めの受診をおすすめします。
ケアを嫌がる子のためにできる工夫
ブラッシング、シャンプー、拭き取りなどを行う際には、愛犬にじっとしていてもらわなければなりません。しかし、力任せの押さえつけや長時間の拘束は、犬にとって苦痛です。ケアの道具に対して嫌悪感を持ってしまうこともあるでしょう。
そこで、ケアを嫌がる犬に対しては、下記のような工夫をしてみてください。少しずつケアに慣らせ、最終的には「ケアを受けるといいことがある」と思ってもらうことが大切です。
- 無理やり押さえつけない
- 1回のケア時間を短くする
- 犬の負担を軽減できるケアグッズを活用する
- 終わったらご褒美をあげる
無理やり押さえつけると、犬はケアそのものを受け入れなくなってしまうことがあります。押さえつけず、できるだけ楽しみながらケアを受けられる環境や雰囲気づくりを工夫してみましょう。
1回のケアですべてを完璧にしようとすると、時間がかかって嫌がられる場合があります。その場合は、できるだけ1回のケア時間を短くできるよう、段取りや手順を工夫してみましょう。
保定時の負担やケアにかかる時間を減らせるよう、市販のケアグッズを活用することで、問題解決につながることもあります。必要に応じて検討してみても良いでしょう。
終わった後は、愛犬をしっかりと褒めたりご褒美をあげたりして、ケアに対して良い印象を持ってもらえるようにしましょう。もし、どうしても受け入れてもらえない場合は、動物病院やトリミングサロンなどで相談してみると良いアドバイスをもらえるでしょう。
まとめ
見た目では分からなくても、毎日の生活の中で犬の体は少しずつ汚れていきます。たとえ少しの汚れでも、それが蓄積していくとさらに汚れがつきやすくなり、皮膚や被毛の環境が悪化します。愛犬のQOL維持や病気予防のためにも、皮膚と被毛の衛生的なケアは大切です。
ただし、必要な皮脂まで洗い落としてしまうのも問題です。かかりつけの動物病院で相談しながら、愛犬に適した頻度と方法でケアを行いましょう。
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