これだけは押さえておきたい犬の特性

犬は家族の一員です。家族だからきちんとお世話をし、病気の予防にも気を遣い、ストレスなく過ごせるようにさまざまな工夫も施します。ただし、忘れてならないのは「犬は人間ではない」ということです。当たり前ですが、犬は私たちとは異なる動物です。

犬と人間では五感の仕組みや精度が異なります。哺乳動物という点で脳の構造には共通点が多いですが、思考には大きく異なる部分もあります。これらの違いをなくすことはできません。人とは異なる犬の特性を理解した上で、暮らしていくことが大切です。

「犬が人にオシッコをかける」という問題行動を考えるにあたり、ぜひ覚えておきたい犬の特性を紹介します。

  • 犬は、高ぶった気持ちや感情をコントロールすることが苦手
  • 犬は、人間のモラルや道徳感に基づいた善悪の判断はできない
  • 犬には、おしっこやうんちが汚いという衛生観念がない
  • 犬には相手を困らせて喜ぶという感覚がなく、嫌がらせをすることはない

これらを理解できれば、愛犬の問題行動に対して「どうしてそんなことをするの?」といった、一方的な価値観や感覚にとらわれてやきもきすることは減るはずです。まず犬の行動に対して、犬の目線に立って理由を考えることを習慣付けてみましょう。

犬が人にオシッコをかける心理

1.マーキングの一環として

嗅覚に優れている犬にとっては、目で見えるもの以上にニオイから得られる情報が多いです。そしてオシッコのニオイには、その犬の個人情報とも言える多くの情報が含まれています。

そのため、犬のオシッコには一般的な排泄の他に、マーキングという目的で行われるものもあります。オシッコで「ここは自分の縄張りだ」と主張したり、他の犬に自分の情報を知らせたりするための、コミュニケーションツールとしてのオシッコです。

飼い主さんや特定のご家族に対してだけオシッコをかけるような場合は、大好きな飼い主さんやご家族を他の犬に取られたくないという気持ちで、マーキングをしている可能性が考えられます。

2.飼い主の行動を変えさせたくて

犬は過去の経験をベースに学習します。例えば、散歩の途中で飼い主さんが知り合いと立ち話をした時に、相手の足にオシッコをかけたら飼い主さんが怒って立ち話を中断して散歩を再開したという経験があったとします。

犬にとって、それは「相手の足にオシッコをかければ立ち話をやめさせて散歩を再開させられる」という学習になっていた可能性があり、その後積極的に立ち話の相手にオシッコをかけるようになるかもしれません。

3.かまってほしくて

飼い主さんとのスキンシップが不足している犬には、声をかけてもらえることが喜びになります。人にオシッコをかけて飼い主さんからお説教をされると、かまってもらえたと勘違いして喜び、かまってほしくなると人にオシッコをかけるようになる例もあります。

4.嬉しさのあまり

犬は、あまりにも嬉しすぎると興奮してオシッコをしてしまうことがあります。「ウレション」と呼ばれているものです。特に、帰宅した飼い主さんを出迎えた犬が、嬉しさのあまり興奮を抑えきれずにオシッコをしてしまうという例がよく見られます。

5.恐怖のあまり

犬は、恐怖や不安等のマイナスな感情が激しい場合も、興奮状態になります。突然の雷鳴や打ち上げ花火の音、大きな地震などとてつもなく恐ろしい思いをした場合も、安心を求めて駆け寄った飼い主さんの足元で、オシッコをしてしまうことがあります。

どんなことに注意すると良いのか

叱るだけでやめさせるのは難しい

犬には善悪の判断はできません。オシッコが汚いという衛生観念もありません。意地悪をしたつもりもないため、罪悪感も感じません。そのため、叱られてもなぜ叱られたのかを理解できません。その結果、当然ですが反省も後悔もしません。

犬には、犬の思考法に合ったトレーニング方法が必要です。犬が問題行動をした場合、「すぐ」に、かつ「分かるように」反応することが大切です。かまって欲しい犬には、無視するなど嫌がる反応を示せば「否定された」、声をかけるなど喜ぶ反応を示せば「肯定された」と理解させることができるのです。

ただし、お説教をしたのに喜ばせてしまうことも多いです。叱り方にも「犬の視点」を組み入れる必要があることを覚えておきましょう。

「手を挙げる」「怒鳴りつける」などの恐怖感を与える叱り方はいけません。根本的な解決には至らないばかりか、これまで築いてきた信頼関係を壊す可能性の方が高いです。できるだけ「喜ぶ反応(ご褒美をあげる等)」でのしつけを優先しましょう。

問題行動を引き出さない環境を作る

「喜ぶ反応を優先しろと言われても、ダメだと分からせなきゃダメでしょ」と考える飼い主さんも多いことでしょう。確かにその通りです。しかし、できるだけ問題行動を引き出さないようにすることで、「叱る」機会を減らすことができます。

まず愛犬が人にオシッコをかけるタイミングを把握しましょう。飼い主さんの帰宅を喜びすぎるのであれば、帰宅直後は愛犬に声をかけず目も合わせず、淡々と自分のことを行いましょう。声をかけてお留守番を労うのは、愛犬が落ち着いてからにしましょう。

散歩中の立ち話で相手にオシッコをかけてしまうのであれば、散歩の途中での立ち話を控える、外出時はマナーベルトを着用させるなどの対策を行いましょう。このように、問題行動を引き出さない環境を作ることを心がけてみてください。

まとめ

「人にオシッコをかける」という問題行動について、なぜそういう行動を取るのかという犬の心理を考え、飼い主さんとして注意すべきことを整理しました。

愛犬と一緒に暮らしていると、つい犬も私たち人間と同じような感覚を持っていると思ってしまいます。しかし犬と人間には、なくすことのできない違いが存在します。そこを理解した上で、愛犬が人にオシッコをかけないような環境づくりをし、わかりやすいしつけ方を工夫することで、みんなが気持ちよく暮らせるように努めましょう。


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情報提供元: わんちゃんホンポ
記事名:「 犬が人に『オシッコ』をかける5つの心理 どんな理由があるの?飼い主が注意すべきことまで