犬の緑内障とは|危険な症状や最新の治療法、予防のポイントまで獣医が解説
緑内障とは?犬に多い症状と発症のメカニズム
緑内障は、眼内の圧力(眼圧)が異常に高くなり、視神経が障害されることで視力が失われる病気です。犬の緑内障は進行が早く、放置すると数日〜数週間で失明に至ることもあるため、早期発見が非常に重要です。
主な危険信号として、以下が考えられます。
- 目の充血や白濁:急に目が赤くなったり、白く濁ったりする
- 目をしょぼしょぼさせる痛がる:まぶしそうにしたり、前足で目をこする
- 瞳孔が開いたまま動かない:光を当てても瞳孔が反応しない
- 視力の低下:物にぶつかる、段差でつまずく、散歩を嫌がる
- 眼球の腫れや突出:片方の目が大きく見える
緑内障は「原発性(遺伝性)」と「続発性(他の病気が原因)」に分かれます。柴犬やアメリカン・コッカー・スパニエルなど、特定の犬種は遺伝的に発症リスクが高いことが知られています。また、白内障やぶどう膜炎など他の眼疾患がきっかけで発症することもあります。
最新の診断・治療と獣医療現場の課題
診断の流れ
緑内障が疑われる場合、動物病院では眼圧測定や眼底検査、視神経の状態確認などを行います。急性の場合は一刻も早い診断・治療が失明リスクを下げます。
治療の基本としては、以下が挙げられます。
- 薬物療法:眼圧を下げる点眼薬や内服薬(炭酸脱水酵素阻害薬、β遮断薬、プロスタグランジン製剤など)が使われます。
- 外科的治療:薬でコントロールできない場合、房水の流れを改善する手術や、レーザー治療が検討されます。
過去に報告されているように、犬の白内障手術後は炎症や続発性緑内障が大きな課題です。特に犬の場合、術後の炎症が長引きやすく、3〜6か月間もの抗炎症治療が必要になることもあります。さらに、緑内障は白内障手術後の合併症としても発生しやすく、獣医師の間でも「炎症や緑内障の長期管理が臨床上の大きな課題」とされています。
また、人間と異なり、犬ではYAGレーザーなどの非侵襲的治療が難しいため、外科的治療や長期間の内科的管理が中心となります。これらの治療は、早期発見・早期介入が成功の鍵となります。
日常生活でのケアと再発予防のポイント
緑内障は一度発症すると再発や慢性化しやすいため、日常のケアと早期対応が重要です。
予防とケアのポイントとしては以下が考えられます。
- 定期的な健康診断:特にリスク犬種や高齢犬は、年2回以上の眼科検診を受けましょう。
- 目の異常にすぐ気づく:日頃から目の色や大きさ、充血、しょぼつきなどを観察し、異変があればすぐ動物病院を受診してください。
- ストレスや外傷の回避:目への衝撃やストレスは発症リスクを高めるため、生活環境を整えましょう。
- 獣医師の指示を守る:処方された点眼薬内服薬は自己判断で中断せず、必ず指示通りに使い切ることが大切です。
- 白内障やぶどう膜炎の管理:これらの疾患がある場合は、早期治療で緑内障への進行を防ぎましょう。
過去の報告からも、犬では術後の炎症や合併症(特に緑内障)の長期管理が重要であり、獣医師と飼い主が協力して継続的にケアを行うことが、愛犬の視力を守るために不可欠です。
まとめ
犬の緑内障は早期発見と適切な治療・ケアが失明予防の鍵です。日々の観察と定期検診で危険信号を見逃さず、獣医師と連携して愛犬の目の健康を守りましょう。
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