犬を飼う前に知っておきたい3つのこと 後悔しないためにすべき確認事項や必要な準備とは
犬を飼う前に知っておきたいこと
犬の飼い主には、法律で定められた責任があります。環境省のサイトでも確認できる『動物の保護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)』を、犬をお迎えする前に確認しておくことをおすすめします。
- 感染症の予防をすること
- 他人に危害を加えないように適切なしつけをすること
- 逃げ出さないように飼育環境を整えること
- 天寿を全うするときまで飼育すること
- 不妊去勢手術をするなど繁殖を制限すること
- 迷子札や鑑札やマイクロチップなどで飼い主が分かるようにすること
あなたは、これらの責任を負うことができるでしょうか。
そして、実際に犬を飼ってみると、思わぬことが起こり得ます。理想とはかけ離れていることばかりかもしれません。
1.お金がかかる
犬の飼育には、必要最低限のことだけでも、年間36万円ほどの費用がかかるとされています。
具体的には、トリミングが必要な犬であれば月5000円~1万円、年間では6万円~12万円ほどかかります。
さらに、犬も病気やケガをします。しかも犬の医療は、自由診療です。軽度の病気やケガにも数万円の医療費がかかります。重度である場合には、数十万円~100万円を超える費用がかかることもあります。
シニア犬になると、体調を崩しやすくなったり、持病で通院する回数が増えたりし、医療費はグッと上がります。総合栄養食よりも療養食の方が高いです。
犬と暮らすと思わぬ大きな出費が増えることがよくあるため、ある程度の貯蓄や経済に余裕を持って暮らすことが大切です。
2.しつけと芸の違い
「お手」「おかわり」「おすわり」はすぐに覚えてくれます。しかし、これらは「しつけ」ではなく「芸」です。
しつけとは、愛犬の安全と健康と命を守るためのものです。「待て」「放せ」「戻れ」などが当てはまります。他人や他犬に危害を加えないためのものでもあります。
トイレトレーニングも大事なしつけです。排泄を我慢することは、犬に不安やストレスを与えます。シニア犬になれば、我慢できる時間も短くなり、粗相をしやすくなります。
しつけは生涯を通して行うべきものです。忘れてしまうこともよくあります。失敗はつきものです。根気強く、時間をかけて気長に行えることが大切です。
3.健康とは限らない
生まれ持って病気を抱える犬もいます。若い年齢で病気やケガをし、体が不自由になる犬もいます。子犬のときには分からない病気もあります。
我が家の愛犬は3歳でリウマチという病気になり、17歳で生涯を終えるときまで、ずっと手足が不自由な暮らしを送りました。病気や不自由を抱えた愛犬と暮らすことはそう簡単なことではありません。
治療や通院にかかる費用も高額です。不自由な愛犬を家に残して遠出することなどできません。仕事に行くときでさえ不安でいっぱいになります。
犬は命です。物ではないため、不良品だから返品します、なんてことはできません。
愛犬の体に考えもしないことが起こるかもしれません。それでも愛することができるでしょうか。天寿を全うするときまでお世話を続けることができるでしょうか。
犬を飼う前に必要最低限準備しておきたいこと
犬を飼う前に、必要最低限準備しておきたいことがあります。冒頭で説明した『動物愛護管理法』にもあるように、犬を迎えるには知識以外にも、さまざまな準備が必要です。
ペット可の住居
犬を飼う前に必ず、ペット可の住居に引っ越しを済ませておきましょう。
住居を選ぶときは、ペット可の条件の詳細をきちんと確認する必要があります。実はひとくちに「ペット可」となっていても、その中身を確認すると『小型犬はOKだが中型以上はNG』『ベランダでのトリミングは不可』などということがあります。
転勤などで引っ越しをする可能性がある場合は、ペット可の住居に住み続けることができるかどうかも大切です。
「今度の社宅はペット不可だから飼えなくなった…」などということが起きないように、将来移転の可能性がある場合は、犬を迎える前に十分に検討・確認しておきましょう。
愛犬専用スペース
家に慣れてもらうまでの間は、「愛犬専用スペース」が必須です。
ケージ・ベッド・トイレ・食器など、留守番中も、必要最低限のものが置けるだけのスペースが必要です。
いきなり家の中を自由にさせると、犬が怪我をするなど思わぬ事故が起こりやすいため、必ず愛犬専用スペースを用意しましょう。
まとめ
犬を飼う前に知っておきたいことを3つ解説しました。
- お金がかかる
- しつけと芸の違い
- 健康とは限らない
犬のいる理想の暮らしって、何となくイメージしたことがあるのではないでしょうか。
私は犬と暮らして28年、1日も理想通りの暮らしをした日はないと思います。一軒家の芝生の広い庭は、愛犬があちこち掘って穴だらけ。真っ黒に汚れた犬をシャンプーして乾かす飼い主は汗だく…。これが現実です。
犬と暮らす前のシミュレーションは何の役にも立たないかもしれません。
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