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一方、人間の性格タイプを予測するために人工知能はすでに広く使用され成功を収めています。犬については同様のアプローチはまだ行われていません。
C-BARQは通常、犬の飼い主やハンドラーが愛犬の性格や行動に関する幅広い質問に答えて、そのデータから犬の行動解析を行います。この研究では、過去のC-BARQプロジェクトから得られた約8,000の行動データを用いて、犬の気質タイプの分類に機械学習技術を適用しました。
研究チームが開発した人工知能アルゴリズムは、C-BARQの質問に対する回答を犬の気質に関する以下の5つの主要なカテゴリーに分類する機能を果たします。
研究者は、この人工知能アルゴリズムは「エキサイティングなブレイクスルーだ」と評していますが、さらに研究を進めるためにまだ一般公開はされていません。
一般公開がされるようになれば、職業犬のトレーニングと配属決定のプロセスの効率を大幅に改善すると考えられます。また、職業犬の適正評価の他にも、人工知能アルゴリズムが犬と人間の生活に役立つ可能性があります。
その一例は、アニマルシェルターなどで新しい家族を待っている保護犬と譲渡希望者との相性チェックです。犬の気質や行動と飼い主の生活スタイルや行動との相性は、双方の幸せのために非常に重要です。
保護施設を訪れた譲渡希望者がいくつかの質問に答えると、人工知能が相性の良い犬を選び出すというシステムは、譲渡の後に「やっぱり合わない」と戻されてくる犬を減らすのに役立つと考えられます。
職業犬の潜在的な気質と適性を評価する重要なプロセスを自動化するための人工知能アルゴリズムが開発されたという研究結果をご紹介しました。
職業犬の適正評価と言われると、一般の飼い主には関係のないことと感じられるかもしれませんが、犬と人間のマッチングにも利用できると聞くと、多くの人がこの技術を身近に感じるのではないでしょうか。
高度なテクノロジーによって、適性のないトレーニングを受ける犬が減って時間や費用が軽減されたり、相性の合わない家庭に譲渡されて保護施設に戻される犬の数を減らすことができるとしたら嬉しい限りです。
《参考URL》
https://www.nature.com/articles/s41598-024-52920-9