犬の命を守る『災害の備え』6つ いつ起こるかわからない自然災害に備えて今からできること
災害時のこと、どれくらい考えていますか?
2011年、東日本大震災の発生当時、避難指示区域には1万6500匹の犬と猫が暮らしていました。飼い主と同行避難することができたのは、わずか1670匹です。
『津波から逃れるために建物の2階部分に入ろうとしたとき、「犬は置いてきてください」と言われ、1階部分に残された犬が津波にのまれ、飼い主の目の前で亡くなった…』
そんな話を聞かされたとき、胸が苦しくなり、言葉が出ませんでした。ネット上には飼い主と愛犬の実際の写真や動画もあるそうですが、私は怖くて見ることができません。
災害時、ペットは「同行避難」ができますが、「同伴避難」ができる地域はほとんどありません。餓死や徘徊を防ぐため、「連れて逃げてください」「家に残さないでください」という意味なのでしょう。
また、「超小型犬と猫は同伴避難OK」「中型犬や大型犬はNG」というような条件がついた避難所もあります。
災害時の同行避難が呼びかけられていますが、飼い主と同伴できる避難所が用意されているわけでもなく、ペットのための避難所が用意されているわけでもないのです。
避難所の出入り口に置かれた小動物が入ったケージを見て、「こんなものを連れてくるやつがいるんだぞ!」と、怒りをあらわにする方もいらっしゃるのだそうです。実際、衛生面やアレルギー問題も無視することはできません。
とはいえ、愛犬を守ることができるのは飼い主だけです。「飼い主は他県に避難している」「高齢だからお世話ができない」「犬は庭に鎖に繋がれ餓死寸前だ」など、そんな話を耳にすると本当に胸が苦しいです。
明日は我が身だと思ってください。他人事ではありません。愛犬があなたにとって本当に大切な家族なのであれば、いつ起こるかわからない自然災害に備えて今からできることを考えてみましょう。
考えることはしても、行動できる飼い主は少ないものです。この記事をご覧いただいたのであれば、今日、まずは何かひとつ行動してみましょう。
犬の命を守る災害の備え
1.非常食と飲料水
非常食と飲料水は1週間分の備えが理想です。お皿はなくても構いません。何とかなります。持病がある場合、療養食である方がよいでしょう。お薬も忘れずに。
避難が長引くと、食料が尽きます。ごはんを食べなくなってしまう犬もいるかもしれません。
非常食としておすすめなのが、高栄養食です。療養食や介護食として売られているものです。缶詰やパウチに入ったウェットタイプは、水分も補給することができます。1つ備えておくとよいと思います。
2.首輪等
迷子札付きの首輪、ハーネス、リードは必須です。災害時は、普段使っているものを持ち出せない可能性があるため、災害時用を備えましょう。
3.防寒服と冷感素材のマットやベッド
災害時、犬は外で過ごさなければならない場合がほとんどです。冬用の防寒服を1着以上備えましょう。
夏用には、冷感素材のマットやベッドを備えるとよいと思います。冷房の効いた部屋で過ごせる可能性は低く、保冷剤などが手に入る可能性も低いでしょう。
4.布製折り畳み式ケージ
布製の折り畳み式ケージは、小型犬用~大型犬用まで、大きさも様々にあります。軽いので持ち運びも楽です。
ケージにも迷子札を取り付けておくとよいと思います。飼い主の名前・住所・携帯電話の番号・犬の名前を書いておきましょう。
5.トイレグッズ
人間同様、非常時には犬もトイレに関するグッズは必要です。
- トイレシート
- おむつ
- マナーベルト
- ポリ袋
- ペット用の除菌ウェットティッシュ
環境の変化やストレスによって、いつも通りに排泄できないかもしれません。お漏らしが増えるかもしれません。常におむつを着用しておくと安心だと思います。
6.避難場所
お住まいの地域が発行している『防災ハザードマップ』をご確認ください。各自治体の公式ホームページでも確認することができます。
災害時のペットの避難に関して、記載がない場合もあります。その場合は、直接問い合わせてみてください。
また、「同行避難」と「同伴避難」の違いは、犬の飼い主としてしっかりと把握しておくべきです。愛犬と同伴避難することができる避難所があるのかどうか、必ず確認してください。
ないのであれば、自宅にとどまるのか、車中泊をするのか、もしくは県外の家族や知人宅へ避難するのかなど、愛犬と一緒に避難できる場所を必ず確保しておきましょう。
まとめ
犬の命を守る災害の備えを6つ解説しました。
- 非常食と飲料水
- 首輪等
- 防寒服と冷感素材のマットやベッド
- 布製折り畳み式ケージ
- トイレグッズ
- 避難場所
愛犬用の災害グッズは、愛犬の安全と命を守ることを優先に備えましょう。おもちゃは必要ないかな…と思います。災害時は、犬もおもちゃで楽しく遊ぶ精神状態ではないでしょう。
おもちゃで気を紛らわすことよりも、大好きで安心できる飼い主がそばにいてあげてください。
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