お笑いタレントのスギちゃんが4月18日、異常に膨張したモバイルバッテリーの写真をX(旧Twitter)に投稿し、「助けてくれだぜぇ!!」とファンに向けて助けを求めた。

 スギちゃんによると、「引き出し開けたら携帯の充電するやつがこんなパンパンになってたぜぇ」とのこと。投稿には、外装が裂けて内部が膨張したモバイルバッテリーの画像が添付されていた。まさに一触即発の状態に、「これ爆発寸前なんじゃないの?だぜぇ」と不安を露わにした。

 投稿は大きな反響を呼び、ファンからは「回収してくれるところへ出して」「地元の自治体に連絡」など、多数の注意喚起コメントが寄せられた。

 翌19日には続報として、「助かったぜぇ」「クリーンセンターに搬入する事が出来たぜぇ」と報告。無事に地域のクリーンセンターへ安全に廃棄できたことを明かし、「こうなる前に気づく事が大事だと感じたぜぇ」「皆さんも気をつけてだぜぇ」とフォロワーにも注意を呼びかけた。

■ そのまま捨てるのはNG 専門機関での処分が必須

 モバイルバッテリーに使用されるリチウムイオン電池は、内部でガスが発生すると膨張し、発火や爆発のリスクが非常に高くなる。膨張はその危険の前兆であり、発見した場合にはただちに使用をやめ、適切な方法で安全に処分しなければならない。

 「膨張していない」モバイルバッテリーであれば、回収ボックスを設置している家電量販店や、自治体の清掃センター(クリーンセンター)に持ち込むことができる。

 一方で、「膨張している場合」は、安全上の理由から家電量販店では回収を断られることが多い。そのため、まずは住んでいる自治体(主に清掃センター)に相談するのが無難。

 ただしこの場合も、事前に自治体の窓口へ電話で確認しておくことが重要。

 電話では、「膨張している状態でも受け入れてもらえるか」「持ち込みの際に必要な準備があるか」「受付時間や予約が必要か」といった情報を聞いておくと安心だ。

 加えて、可燃ごみや不燃ごみに混ぜて出したり、自分で分解・押し潰すといった行為は大変危険であり、絶対に行ってはならない。火災や爆発を引き起こすだけでなく、人体や周囲の財産への被害にもつながりかねないため、慎重な対応が求められる。

■ 環境省も警鐘 全国で8543件の火災事故

 実は、こうしたリチウムイオン電池の事故リスクに対し、環境省は対策を強化している。

 4月15日にも、全国の自治体に対し、リチウムイオン電池の適正な処理を徹底するよう通知を出した。廃棄物処理施設や収集車両での火災事故が頻発しており、全国の市町村において2023年度には8543件が報告されるなど、深刻な問題となっている。

 通知では、膨張・変形した電池は特に危険とされ、他のごみとは分けて収集・保管することや、住民への排出方法の周知が求められている。対象にはモバイルバッテリーやコードレス掃除機、加熱式たばこなど身近な機器も含まれる。

 スギちゃんの一件は、こうした危険が誰の身にも起こり得ることを示す出来事だった。適切な処分方法を知っておくことが、火災を防ぐ第一歩となる。

<参考・引用>
すぎちゃん公式X(@wild_sugichan)
環境省「リチウム蓄電池
環境省「市町村におけるリチウム蓄電池等の適正処理に関する方針と対策について

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025042002.html
情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 スギちゃん、膨張したモバイルバッテリーに「爆発寸前なんじゃないの?」と悲鳴 危機一髪でクリーンセンターへ