- 週間ランキング
迷惑メール業界、どうにかメールを開かせようと必死なようです。
最近Xで「『プーチンの母です』という件名のメールが届いた」といった投稿が拡散されるなど、迷惑メールの「珍件名」が注目を集めています。
そこでメールフォルダを漁ってみたところ、似たようなテイストのメールが何件も届いていたので、注意喚起も兼ねてご紹介します。
迷惑メールの鉄板といえば有名人を騙った差出人。「え、あの人が!?」というお忍び特別感を惹起させるのがスタンダードな戦法かと思いますが、編集部に届いたのは斜め上のものばかり。
まずは、おそらく北のあの方からと思われるメール。
件名:【謹賀新年】ども金正恩っす
本文:今年の抱負なんですけど、大谷くんに負けないよう僕もたくさんミサイルを打てたらいいなっておもてます。
どこからツッコめばいいのやら……。えーっと、とりあえずもう打つな。ミサイル。というより新年の抱負にするのやめて。ICBMのPDCAを回そうとしないでください。それから一番重要なことですが、大谷「さん」ね。
続いてのメールの件名は、伝説的な元陸上選手を名乗っています。
件名:カールルイスです
本文:日本のみんなー元気ですかー?元気があれば何でもできる。迷わず行けよ行けばわかるさ。
ロサンゼルス五輪で4冠を成し遂げた元陸上選手のカール・ルイスさんじゃなくて、“燃える闘魂”アントニオ猪木さんですね。元気がありすぎ、迷わず行きすぎではないでしょうか?
また芸能界の著名人らしき方からもメールが届いていました。
件名:大吾じゃ
本文:わしゃーええ女が好きなんじゃ、じゃけー女優を嫁にもろたんじゃ。うぃっしゅ!
確かにお笑いコンビ・千鳥の大吾さんっぽい口調だなと思いきや、締めの言葉は「うぃっしゅ!」大吾じゃなくてDAIGOでした。北川景子さんと結婚した、ミュージシャンの方の。そしたら件名の漢字は“大吾”じゃなくて“大湖”が正しい表記ですね。気をつけてください。
迷惑メールを送ってくるのは実在の人物だけではありません。ときには架空のキャラクターからも届きます。
まずはM78、あるいはM87星雲からやってきたウルトラ戦士からのメール。
件名:ウルトラマンです
本文:このあいだヘヤッ!彼女と映画見に行ったんですダオッ。“男はつらいよ”だったかなジァー?したら彼女がね「アアッ デヤッ シェアッ」だってデュワッwww わろてまうやろシュッワッチ!
これは……ノロケ?ウルトラマンから彼女と映画を見たときの面白エピソードが届きました。何が面白いのかわからないですが、面白いのでしょう。地球の平和を守ってくれるなら、ノロケの1つや2つは許します。ただ語尾で「ヘヤッ!」だの「シュッワッチ!」だのと鳴くのは目障りですね。「デュワッwww」のネット民感よ。
国民的コンテンツに出演している女の子からも届いています。
件名:覚えてる?ジャイ子です
本文:漫画家の夢はあきらめて今はセクシー女優。168cm52kg 87(G)−54−85。令和の峰不二子とはあたいのことよ。
そっか、漫画家の夢諦めちゃったか……。でも「令和の峰不二子とはあたいのことよ」と自慢のプロポーションに胸を張っているあたり、自分の意志で新しい道を選んだみたい。カップサイズがGなところに強いこだわりを感じます。もしのび太くんがこのメールを受け取ったら、喜んで返信しちゃうのでしょうか?気をつけてほしいですね。
さらに迷惑メールには人物やキャラクターだけではなく、あの有名作品の新情報をお知らせするようなものも。
たとえば日米の名作同士による、異色のコラボとか。
件名:水戸黄門〜最後のジェダイ〜
本文:遠い昔、遥か彼方の常陸水戸藩で……徳川光圀公はジェダイマスターの正体を隠し、金ぴか坊主の助さんと小さなロボットの中に入っている格さんを従えて日本全国を行脚する物語
「スター・ウォーズ」シリーズは日本の時代劇に影響を受けたとも言われていますから、なんかストーリーがうまい具合に収まってそうです。配役も完璧すぎる。
助さんがC−3PO、格さんがR2−D2なら、うっかり八兵衛はジャー・ジャー・ビンクスあたりでしょうか?というか「小さなロボットの中に入っている格さん」を想像したら面白すぎませんか?
また、あの国民的人気アニメは、知らぬ間に劇場公開されていたようです。
件名:サザエさんTHE MOVIE公開中
本文:名家の一人娘サザエと画家を目指すマスオのラブストーリー。二人はアメリカを目指す豪華客船に乗船中、巨大な氷山に船(フネではない)が衝突しまさかの沈没。マスオも沈没。全米が泣いた「サザエさんTHE MOVIE」公開中
どう読んでも「タイタニック」のあらすじです。しかも「マスオも沈没」ってオチまで明かしちゃってますね。ただ「まさかの沈没。マスオも沈没」のリズムがよすぎてどうでもよくなります。あと「船(フネではない)」の迫真の補足に笑いが止まりません。
紹介したメールはいずれも突飛すぎるので、件名だけ見て「え、うそ?本当にあの人からメールが!?」と飛びつく人は少ないと思います。ただ、突飛であるがゆえに、開封したくなるものなのもまた事実。
しかしこれらのメールはすべて迷惑メール、つまりは詐欺サイトなどへのアクセスをうながす目的で送られている可能性が高いです。
ですので「面白すぎる」と興味本位で飛びつくのも、実は危険。「別に私は引っかからないから」と思っていても、誤操作でリンクを押してしまうこともありえるでしょう。もちろんふざけて返信するのもダメです。
メールの件名を面白がりつつも、常に「これは怪しいメールなんだ」という意識は忘れないようにしてください。
<記事化協力>
迷惑メール業者の皆様
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025020103.html