11月26日にローソンで販売開始された新商品「飲むマヨ」。マヨネーズのコクと酸味をチルド飲料で再現したという、“マヨラー歓喜”の斬新なドリンクです。

 発売前からSNSで話題を集めていた本商品を実際に買って飲んでみました。結論から言います。本当に、嘘偽りなく、誇張なく、マヨネーズです。マヨネーズそのものです。

■ 「テスト販売中」の赤文字に不穏な気配……においだけでもすでにマヨネーズ!

 「かなり話題になってたし速攻売り切れてたりして〜」と思いながら近所のローソンに行くと、普通に置いてあった「飲むマヨ」。価格は税込198円です。

 銀色のボディに黄色いマヨネーズのイラストが描かれたパッケージは、商品棚で異彩を放っていました。

 蓋の部分には赤い文字で「テスト販売中」と書かれています。かつて見たことがない前置き。不穏な気配が漂っています。

 「テスト販売中だからどんな味がしても怒らないでね」という予防線な気がするのです。まさかローソンがそんな無茶をするわけが……ないよね?

 原材料名を確認します。特に気になるものはなし。強いて言うなら「マヨネーズ風味シーズニング」。「しっかりマヨネーズを味わわせてやるからな」という気概を感じます。

 「飲むマヨ」について、筆者はあくまで「マヨネーズ風ドリンク」という表現がミソだと考えています。

 「マヨネーズのコクと酸味を再現」とうたってはいるものの、飲み物は飲み物。マヨの味を残しつつもおやつ代わりについつい手に取りたくなるような、ミルクセーキっぽい、デザートドリンクになっているのでは?

 そんな風に味を予想しながら、開封。しようと思いましたが、「飲むマヨ」はストローが付属していることからも分かるように、本来はそのまま飲む商品。蓋が綺麗に開けられません。

 とはいえ記事にする以上、中身を確認したいので、少し無理やり蓋に穴を開け、穴からグラスに注ぐことにしました。

 が、開けた瞬間、かなり濃い目のマヨネーズ臭が漂います。卵感のある独特のにおいは、思っていた以上にマヨネーズです。

 中身は牛乳のような質感。やや黄みがかった牛乳といったところでしょうか。マヨネーズのような粘度の高さはありません。サラサラです。

 ただにおいはもう完全にマヨネーズです。市販のボトルマヨネーズのキャップを開けたときと、まったく同じ匂いがします。酸っぱさのある卵の香りです。マヨネーズの匂いが嫌いな人はおそらくここでギブアップでしょう。

 思ってた以上にマヨネーズなんですが……。本当に、飲み物ですか……?

■ 味は完全にマヨネーズ!マヨネーズそのもの!

 においに意気をそがれつつも「肝心なのは味だ、味!」とグラスを手に取り、ひと口。

 マヨネーズ。完全に、マヨネーズ。誰だミルクセーキとか予想したやつは。マヨネーズじゃないか。

 マヨネーズ味でも、マヨネーズ風ドリンクでもなく、本当にマヨネーズです。液体マヨネーズ。水溶きマヨネーズ。いつも食べているマヨネーズそのままの味が、今口に入れた飲み物からしました。甘くないです。しょっぱいです。

 液状だからといって薄まっているということもありません。まさに「飲むマヨ」の商品名通り、マヨネーズの味がそのまま粘度だけ下がって液体になっています。

 そしてこの飲み物が美味しいか美味しくないかで言うと……個人的には美味しくないです。ごめんなさい、筆者の口には全く合いませんでした。

 どんな商品でも開発者が存在します。また、それを好きだと言う方もいます。よって普段はハッキリここまで言うことはありませんが、今回ばかりは……。ごめんなさい、ごめんなさい。考えた人たち、作った人たちごめんなさい……!

 パッケージに「テスト販売中」と書いてあるのも納得の、なかなかにチャレンジングな飲み物でした。

 しかしこういう変な味の物を口にしたあと、「今の味は現実なのか?」と疑う気持ちが湧いてしまうのが常。

 特に今回はマヨネーズがそのまま液体になった味、という異次元の体験。あまりにマヨネーズな飲み心地は、先入観から生じたものかもしれない。本当はもっと違う飲み心地かもしれない。

 そう思いながらふた口目、を飲もうとしたのですが、ふわりと鼻に飛び込んできたマヨネーズのにおいにやられて思わずグラスをテーブルに戻しました。

 マヨネーズだ。ほんとうに……ほんとうにマヨネーズだ。

 再びにおいを嗅いだ瞬間に、ひと口目の味がフラッシュバックしてえずき、涙が出てきました。

■ 「マヨラー歓喜」ではない。マヨラー以外絶望の飲み物だ

 筆者はマヨネーズという調味料自体は、好んで使います。唐揚げやたこ焼き、お好み焼きなどしかるべきものにかけて味わいます。

 ボトルから直飲みすることはありませんが、カップ焼きそばなんかについてくる小分けのマヨネーズの、地味に袋の底に残ったものを、ちょろっと吸うくらいはします。

 ですので筆者の舌は、人並みにはマヨネーズ味というものに親しんでいると思うのですが、この「飲むマヨ」にはそんな“人並み”のマヨ舌では立ち向かえません。

 ローソンが公式に「マヨラー歓喜」とアナウンスしているのですが、これは裏を返せば「マヨラー以外絶望」ではないかと思います。

 マヨネーズがこの世で一番好き。何にでもマヨネーズをかけて食べる。ボトルから直飲みしたい。そんなレベルのマヨラーだけがこの「飲むマヨ」に歓喜できると思います。

 ふた口目に行く前にギブアップしかけた筆者ですが「開けたからには飲みきらなければ」という思いで、無理やり飲み続けます。

 ひと口飲むごとに、なんでしょう、マヨネーズが嫌いになっていきます。これからもマヨネーズを調味料として好きでいられるかな……。

 そのとき、ふと思いました。本来「飲むマヨ」はストローで飲む商品。もしかするとストローで飲むと美味しいのではないか?

 よく考えてみればマヨネーズ自体、飲むにしてもボトルや小袋からちゅーちゅーと吸うのが基本です。グラスやお皿に出してゴクゴクと飲むものではありません。

 ゴクゴク飲むから美味しくないのであって、ストローでちゅーちゅー吸うなら美味しいのでは!

 というわけで本体にストローをさして吸って飲んでみます。

 はい、美味しくないです。

 ただ口に入ってくる前のジャブのようなマヨネーズ臭を感じにくくなるため、グラスで飲むよりは飲みやすい、と言えなくもありません。

■ マヨネーズを忠実に再現した企業努力には頭が下がる!マヨラーには革命的な商品か

 それにしてもこの商品、味は受け付けないですが、ここまで忠実にマヨネーズを再現した企業努力には頭が下がります。何度となく試行錯誤を繰り返してたどり着いた味なのでしょう。

 開発の裏側を考えると「この味を何度も飲んだってこと?」という新しい疑問が湧いてきます。ひと口で精神的にギブアップした筆者としては、正気の沙汰とは思えません。あるいは開発部に尋常ではないマヨラーがいたか。

 どうにか「飲むマヨ」を飲み終えました。

 飲みながらこの商品に何かいいところはないかと考えてみて、1つ見つけました。

 カロリーです。

 マヨラーにとって最大の壁は、おそらくマヨネーズが高カロリーであることではないでしょうか。

 参考までに「キユーピーマヨネーズ」のカロリー表示を見てみると15gで100kcal。「キユーピーハーフ」が15gで49kcal、「キユーピーライト(80%カロリーカット)」でも15gで20kcalです。

 これらを「飲むマヨ」と同じく200ml(g)になおしてみると、下記の通りです。

<200ml(g)あたりのカロリー>
・「キユーピーマヨネーズ」:1300kcal
・「キユーピーハーフ」:637kcal
・「キユーピーライト(80%カロリーカット)」:260kcal
「飲むマヨ」:79kcal

 比べて分かる「飲むマヨ」の異次元の低カロリーぶり。カロリーを80%カットした「キユーピーライト」の3分の1ほどしかありません。

 そして何度も言っていますが「飲むマヨ」の味はマヨネーズそのものです。

 マヨネーズは飲みたい、でもカロリーが気になる……。そんな人にとって「飲むマヨ」は革命的な商品になるのではないでしょうか。

 マヨラーの方々が「飲むマヨ」を飲んでどう思うのか、本当に知りたい。

<参考>
「飲むマヨ」商品ページ
「キユーピーマヨネーズ」商品ページ
「キユーピーハーフ」商品ページ
「キユーピーライト(80%カロリーカット)」商品ページ

(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024112607.html
情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 ローソンが放った問題作「飲むマヨ」を超本音レビュー マヨネーズ好きの救世主か?それとも悪夢か?