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夏に開催されることの多い「バレエの発表会」。4月前後から、SNSでも「発表会の練習が始まった」という投稿が見られるようになりました。
子どもの場合は「所属しているなら当然出演」となることが多いのですが、大人が趣味として習う「大人バレエ」の場合、出演するかどうかは本人の判断に委ねられることもしばしば。とくに、バレエを始めたばかりの方なら非常に悩む場面でしょう。
そこで、大人バレエを楽しんでいる「大人リーナ」たちに、発表会の出演経験や出演してよかったことなどを尋ねてみました。
InstagramおよびX(旧Twitter)で、発表会の出演経験を尋ねてみました。対象は、成人してからバレエを始めた方・再開した方です。
【質問1】(大人になって)発表会に出演したことがありますか?
・ある……71.3%
・ない……28.7%
総票数:164
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総票数164とやや母数が少ないですが、7割超えの方が大人になって発表会に出演しているようです。個人的には半々くらいと予想していたので、意外な結果でした。
ちなみに、「ない」と回答した方の中には、そもそも発表会を開催していない教室やカルチャースクールなどで習っている方もいるのかもしれません。
出演経験がある方には、出演のきっかけも尋ねてみました。
【質問2】発表会に出演したことがある方に質問。出演のきっかけは何ですか?一番当てはまるものを選んでください。
・自分が出たかったから……58.9%
・先生や教室の仲間に勧められたから……28.9%
・出演が当たり前の雰囲気だったから……12.2%
・その他……0%
総票数:90
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最も多かったのは「自分が出たかったから」で約6割。次に多い「先生や教室の仲間に勧められたから」(28.9%)と合わせると、9割近い方が自分の意思もしくは周囲からの勧めによって出演を決意しています。
「出演が当たり前の雰囲気だったから」は12.2%。やはり、大人の場合は本人の意思に任せる教室が多いようです。
出演を迷っている方にとって気になるのが「出て後悔しない?」という点ではないでしょうか。この点も大人リーナたちに尋ねてみました。
【質問3】発表会に出演したことがある方に質問。出演してよかったですか?
・よかった……89.5%
・後悔している……5.3%
・わからない……5.3%
総票数:95
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なんと、出演した人の約9割が「出演してよかった」と感じています。「後悔している」「わからない」の回答割合はそれぞれ5.3%です。
「出演してよかった」と回答した方には、よかったと感じている理由やエピソードも教えてもらいました。
「出演してよかった」と感じた理由・エピソード
・上達が早くなる
・苦手なVa(ソロの踊り)を練習していると苦手意識が減っていくし、通常クラスでは付きにくい表現力が上がる
・作品の踊りならではの顔や上体の付け方など、普段のレッスンでは教われないことをたくさん学べる
・技術的に向上するので、まず出てみて何を感じるか体験したらよいと思う
・教室のメンバーと仲良くなれた
・みんなで作品を作り上げる楽しさがあったし、自身のスキルアップにも繋がった
・「素敵だった」と娘や周りに褒めてもらえた
・舞台で踊る姿を友達が観て喜んでくれた
・プロじゃないので「舞台も通過点」と思うと、後から「出なければよかった」とはならない気がする。逆に、出たからこそ得る学びはたくさんあるし、その後のレッスンのモチベーションにもなる。
・ダイエットや生活のメリハリなど、(出演を決めたことで)目標ができた
・終わった直後、舞台袖にいた先生がすぐに笑顔で「良かった」と話しかけに来て下さって、出て良かった!と心から思った
・衣装を綺麗に着られるようにダイエットにやる気が出て痩せられたし、本気で頑張っている人達の姿が見られるのも刺激になって益々バレエが好きになった
・20代で独身だったからこそ挑戦できた。家庭等の状況が許すのであれば挑戦です。
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出演してよかった理由として、多くの方が「上達」を挙げています。筆者個人も、これまで何十回と発表会を経験してきましたが、発表会に出るたびに技術面・精神面・体力面で向上を感じています。
ほかには、教室の仲間との絆が深まること、家族や先生に褒めてもらえたことも「出演してよかった」という思いに繋がっているようです。
美しい衣裳を着て、スポットライトを浴び、拍手をいただく……こんな経験は日常生活では絶対にできないので、せっかくバレエを習っているなら一度は発表会に挑戦してほしいと思います。
とはいえ、大人リーナさんの中には「自分の踊りを見せるなんて恥ずかしい」「周りに迷惑をかけないか心配」などと不安に思う方も多いでしょう。
発表会出演を後悔しないように、ぜひ心がけてほしいことを3つ紹介します。
(1)かかる費用やスケジュールをあらかじめ把握しておく
基本となる発表会費以外にも、衣裳代やタイツ・シューズなどのバレエ用品代、DVD代、写真代、教室によっては先生へのお礼・プレゼントなどにも費用がかかることも。
発表会費だけを考えていると、「思ったよりお金がかかってしまった……」と後悔してしまうかもしれません。とくに、先生へのお礼・プレゼントに関しては、教室による違いが大きいため、出演経験のある仲間にあらかじめ聞いておきましょう。
また、発表会練習が始まると、通常よりも練習時間が長くなったり、いつもレッスンがない日にリハーサルが入ったりすることもあります。
とくに、出演者が集まっておこなう合同リハーサルは、全体の流れや立ち位置の確認など、人が集まったときしかできないことを練習するため、欠席は極力避けたいところ。あらかじめ、大まかなスケジュールを把握しておくと、仕事などの見通しが立てやすくなります。
(2)とにかく振付を早く覚える
せっかく発表会に出るなら、少しでも自信を持って踊りたいもの。そのために、筆者が何よりも大切だと思うのが「振付を覚えること」です。
振付がしっかり身体に入っていないと「間違っていないかな?」と不安になり、動きも小さくなってしまいます。また、複数人で踊る作品では、振付を間違えることで人とぶつかってしまうことも。
練習の初期段階では、「綺麗に踊ること」よりも、まずは「振付を正確に覚えること」を意識してみてください。綺麗に踊ることは、振付を覚えたあとでOK。振付をしっかり覚えるには、動画を撮ったりノートにまとめたりするなどの工夫が効果的です。
(3)楽しむことを忘れずに
何よりも大切なことは、練習から本番までを楽しむこと。
(筆者を含め)私たち大人リーナはプロではないのですから、失敗しても問題ないのです。自分の理想とする踊りにいかに近づけられるか、そのプロセスを楽しみましょう。
発表会練習は大変なことも多々ありますが、舞台に立ったときの高揚感や本番後の達成感は何物にも代えがたい貴重な経験です。迷っているのであれば、ぜひ一度出演することをおすすめします。
(上村舞)