冬場になると多発する「ヒートショック現象」。暖かい部屋から寒い部屋への移動など、急激な温度の変化により血圧が上下に大きく変動し、失神したり心筋梗塞や脳卒中を引き起こしたりする現象ですが、これは自宅内に限ったことではありません。

 近年愛好者が増えているサウナでも、同様のことが起こり得るのです。

あとみんなわかってると思うけど、サウナと水風呂なんかはまさにヒートショックが起こり得る状態を自ら作りに行ってることは理解しておいた方がいい

「整うワァ……」とか言ってる間、身体の中では脱水になったり血圧が急激に変動したりで大忙しなのだ

節度を守りつつ、無茶をせず楽しもうね!

 X(Twitter)にて、こう注意喚起したのは整形外科医のおると医師。言われてみればたしかに、サウナや水風呂、外気は温度差が激しいため、その分だけ血管に大きな負担がかかっているのでしょう。

 また、高温による脱水状態も、ヒートショックのリスクを高める原因のひとつ。特に高齢者、心臓や血圧などに持病がある方は注意が必要です。

■ 12~2月の3か月間に入浴時に亡くなる方全体の半数が集中

 おると医師によると、「入浴時に亡くなる方は多く、実は12~2月の3か月間に全体の半数が集中します」とのこと。

 ヒートショックを防ぐために「十分な水分補給」「脱衣所、浴室も暖めておく」「湯船の前にシャワー」「高温風呂はさける」「湯船からゆっくり立つ」「酒飲んだら入るな」と、6点の注意事項を述べており、つまりは「急激な温度変化が起こる環境に身を置かないこと」。体を緩やかに温める、緩やかに冷ますことがサウナ利用時においても有効です。

 投稿には「心地が良いから身体に良いとは限らないのね……」「高齢者のサウナは見てて本当に怖い」と、医師の見解に肯定的な返信が多数。

 近年は特に、「第三次サウナブーム」とも言われ、ネットやテレビ、雑誌等で特集を見かける機会が多くなりました。「整う」ことだけを目的に、長時間サウナに入ったり、急に水風呂に浸かったりといった行為は大変危険であると認識し、節度のある利用を心掛けるようにしましょう。

<記事化協力>
おると 整形外科医さん(@Ortho_FL
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(山口弘剛)

「整う」ブームに医師が警鐘 ヒートショックはサウナと水風呂でも起こり得る | Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌
情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 「整う」ブームに医師が警鐘 ヒートショックはサウナと水風呂でも起こり得る