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通常はゴミとして廃棄されてしまう模型のランナー。これを再利用して、作品に仕立て上げているのは、自らをランナーアーティストと名乗り活動する「SHIOHAMA’R」さんです。
X(Twitter)への投稿には、まるでCGのワイヤーフレームのようなガンダムヘッドの面々が。いずれも廃ランナーから作られているとは思えないアート作品に仕上がっています。これはすごい……。
SHIOHAMA’Rさんがランナーアートを作り始めたのは、15年ほど前から。ガンプラ製作時にランナーを捨てるのをもったいなく感じていたところに、前から考えていた大きなサイズのガンダムを作りたいという思いが繋がったことがきっかけでした。
しかし、プライベートの多忙さからなかなか思うように製作が出来ず。本格的に作り始めるようになったのは、昨今のコロナ禍により外出自粛が呼び掛けられ、自宅で過ごす時間が多くなってからのこと。現在は10分の1サイズのガンダムヘッドをメインに製作を行っています。
作品を手掛けるにあたり、もちろんランナーにも手を加えていきます。ニッパーで切り出した後、バリや凹凸を削り荒目のペーパーで成形。完成サイズの倍率を考え、正確に測りながら切断したり、熱を加えて曲げたりするなど、慎重に作業を進めます。
その後ランナーを接着し、ヤスリをかけて表面処理。それから塗装を施して仕上げていく、という手順で、ひとつの作品を作るのに要する時間はトータル100時間前後。期間にして半年以上かかるというのですから、相当な大作です。
製作時にSHIOHAMA’Rさんが特にこだわっているのは、「空間を大事にしたデザイン」。作品をよく見てみると、ガワだけでなく内部のメカも一部再現されていることが分かります。
それでも360度、どの角度から見てもデザインの破綻がなく、なおかつ空間が詰まりすぎず、空きすぎにも見えず、ちょうど良いバランスに見えるのはSHIOHAMA’Rさんのセンスがあってこそ。その他、首が左右上下に動いたり、持ち運ぶ為にある程度分解できるようにしていたりと、さまざまな工夫が施されています。
過去に製作した作品は、さまざまな展示会において多くの方の目に留まるように。今後は機体全身のランナーアート製作に取り掛かり、来年の静岡ホビーショーへの展示を目標に動いているとのこと。もし実現すれば、さらなる注目を集めることになりそうです。
作品としてのカッコよさ、美しさはもちろんのこと、廃材を減らすという点でも、製作意義を感じるランナーアート。これからさらに取り組む方が増えてくるかもしれませんね。
<記事化協力>
SHIOHAMA’Rさん(@Haro1205Satoru)
(山口弘剛)