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トレーディングカード界に革命が起きるかもしれません。X(Twitter)ユーザー「YORIMIYA」さんが公開した動画に大きな注目が集まっています。
見るとそこにはボーカロイド「初音ミク(3Dモデル:む~ぶ氏)」と、「VOICEVOX」のキャラクター「春日部つむぎ」のカードが映っていますが……なんとカードの絵柄がリアルタイムで動いているではありませんか!これは欲しすぎる……!
普段はVRやARを総称した「XR」という領域で、クリエイター及びエンジニアとして活動しているYORIMIYAさん。大手Vtuber事務所のバーチャルライブのVFX制作も担当し、日々XRとVtuber(バーチャルタレント)を組み合わせて、何か面白いことができないかと考えているのだそうです。
そんなYORIMIYAさんが、最近注目していたのが「デジタルフィギュア」という領域の可能性。以前より裸眼立体視のディスプレイやVR/AR上で、デジタルフィギュアを表示していましたが、「誰もやったことない表現をやろう」と考えを巡らせたところ、閃いたのが今回の「デジタルフィギュアカード」でした。
「フレキシブルOLED」と呼ばれる薄型のフレキシブルディスプレイにデジタルフィギュアを表示し、それを裏表両面2枚使用した作品は、YORIMIYAさんのレンダリング技術によって、まるで本物のトレーディングカードのように仕立てられています。
中でも特にこだわったのは、「ソシャゲガチャ風の演出を現実世界に持ってくる」という部分。3Dモデルをふわふわ動かすために、モーションを手打ちしたり、適切なカメラカットにしたり、VFX(エフェクト)を入れて豪華な演出にしてみたりと、さまざまな工夫を盛り込みました。
また、気になるのは「どうやって電源と映像を送っているのか?」という点。これについては、実際にはノートPCからHDMI出力で映像をドライバーボードへ送り、電源もUSB-Cで供給されているため、現状は有線であることが必須。実際のカードと同じように、とはいかないようです。
とはいえ、それを差し引いても「極薄の両面ディスプレイが湾曲する」という表現はとても斬新。今作の出来栄えについては、YORIMIYAさん自身も「CG感が無く非常にリアル!間近で見てもディスプレイに表示しているとは思えないほどドット感もなくきれいで、不思議な感覚になります」と、満足のいくものとなった模様。
ちなみに本作は「初音ミクの二次創作ガイドライン内の制作」。関連する人たちにも許諾を得て制作されています。
映像をリアルタイムでレンダリングするために、高性能なPCが必要だったり、電源も外部バッテリーにつなぐ必要があるなど、実用化にはさまざまな課題がありますが「個人的にはあと5年、10年経てばすべての問題が解決すると確信しています」と、YORIMIYAさんも今後の技術革新に期待し、コンテンツの表現方法を研究していくとのこと。
直近ではこのデバイスをどこでも持っていけるように小さな外装を3Dプリンターで作ったり内部基盤を整えて、いろんな「動くデジタルフィギュアカード」のコンテンツを作ろうと考えているのだとか。ゲームで手に入れたカードを、そのままの仕様で実際に手元に置いておける……そんな未来はそう遠くないことなのかもしれません。
<記事化協力>
YORIMIYAさん(@jav6868)
(山口弘剛)