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8月13日は左利きの日。左利きの人たちの生活環境を向上させようと、イギリスの「Left-Handers Club」によって制定された記念日で、日付は提唱者の誕生日にちなんだものだそうです。
日本ではマイノリティーにあたる左利き。現在では何の偏見もない左利きですが、ひと昔前までは、ほとんどの左利きは「右利き」に矯正されてきたのをご存知でしょうか?
実は筆者もその1人。家や、保育園、小学校で「他の子と違うから」という理由で、当たり前のように箸と鉛筆は右で持つようにと矯正されてきました。
もちろん、箸も鉛筆も左利きのままで育った昭和世代も多くいると思いますし、「元」左利きが優れているわけでも劣っているわけでもありません。
ただ、幼少期に左利きを封印し、右手を使うことを余儀なくされた人特有の悩みや共通点があるのも確か。今回は、筆者がこれまで生きてきて感じた「元左利きあるある」を紹介します。
元左利きは、普段は右利きと思われているので、はさみや包丁を左手で使った時に「え?左利きなの?」と驚かれる確率が高め。気付いた人はなぜか嬉しそうなので、こちらもなんだか嬉しくなります。
左利きである自覚があまりない元左利き。駅の自動改札を通る時やトイレの水を流す時は左手を使うとクロスする恰好になるなど、日常生活で不便なこともあるのですが、不便さにさえ気が付くことができません。
人に指摘されてようやく「あ、左利きだからやりにくかったのか、次からは右手でやろう」と思い至るも、結局次も同じように、無意識のうちに左手を使ってしまいます。
よく言われるのが、「両利きで羨ましい」という言葉。でも、実際には「左利きだけど右手を使ってきたから右も使えるようになっただけ」で決して両利きではないんです。
長年の訓練のせいで、利き手ではない右手も比較的使えますが、裏を返せば両手とも上手く使えていないともいえます。
初めて出会う道具は、右と左どちらが使いやすいか両手で確認してみます。カッターナイフなど、細かい作業は右手で、力のいる作業は左手でと使い分けることも。
ボーリングやテニスなどのスポーツも、どちらが利き手、利き足なのかは、確認してみないとわかりません。たまにやるスポーツは、毎回確認が必要です。
字の汚さや、箸の持ち方を左利きのせいにしがちです。「左利きだから上手く書けない、持てない」と言い訳をするも、左手でも上手くできません。
子どもが産まれて気付く、両手が使えることの有難さ。右手が疲れたら左手で抱っこができるし、右手に抱っこをしたままで左手で自分のご飯を食べられます。
また、お菓子作りでホイップクリームを泡立てる時、大根おろしを作る時、掃除機をかける時。片手が疲れたらもう一方の手を使うことができて便利です。
右利きだと思っていた友人が自分と同じ元左利きだとわかった時には、他人とは思えぬ親近感が湧き嬉しくなります。誕生日が同じ日だとわかった時のそれに似ています。
右と左の概念が他の人と違うのか、瞬時に左右の判断ができません。これは近年注目されはじめた「左右盲」と呼ばれる症状らしく、左利きを矯正された人がよく陥りやすいと言われていますが、元から右利きの人の中にも一定数存在すると言われています。
筆者は未だに「左は名札が付いている方」と、小学1年生で教わった方法を、心の中で活用しています。
(参考:おたくま経済新聞『右と左の判別にあたふたしてしまう「左右盲」実は結構多いんです』)
「小さい頃に無理やり右利きに矯正された」とマイナスに感じる人もいるかもしれませんが、意外とメリットの多い元左利き。
右手に鉛筆を持ったまま左手で消しゴムが使えたり、スマートフォンをどちらの手でも同じように操れたり、片手が付かれたらもう片方の手が使えたり。他にも無意識で両手を使い、便利になっているケースがたくさんあるかもしれません。
(一柳ひとみ)