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「掃除を始めます」笑顔のスタンプ付きでこうつぶやいたのは、ツイッターユーザー「ジャンクおじさん(自称)」こと、水野さん。
添付された写真には、背後に写るバイクよりも明らかに背の高い、ボロボロの「巨大ゲームボーイ」が。こ……これはまさか!
そう、これはかつて販促用アイテムとして、ゲームショップやショッピングモールのおもちゃ売り場などに向けて、任天堂が提供していたもの。
十字キーやボタンを押すことは出来ませんが、試遊用のゲームボーイ本体と内部のモニターが連動しており、携帯ゲームがテレビで遊べるという仕掛けは当時としては最先端。実に子どもゴコロをくすぐる仕様でした。
時期としては1990年代前半から設置されていたものの、ゲームボーイポケットやカラーを始めとする後発機が販売されると共に、店頭からは徐々に姿を消していきます。
その後はそのまま廃棄されたり、フリマサイトやオークションに出回ったりしている模様。それらを購入・修理して、個人で楽しんでいるパターンや、今もディスプレイとして使用している、というお店もあります。
水野さんも同様に、自身が勤める中古パソコン販売&ジャンクショップ「佐古前装備」(愛知県名古屋市)にて、ディスプレイとして使用する目的で仕入れ先から入手したのだそう。「マリオのピクロス」のPOPが貼られていることから、設置されていたのは1995年ごろまで、といったところでしょうか。
水野さんの話によると、今回の品物はしばらく屋外に置かれたままで、すでに起動しなくなっていると聞いていたそうで、モニターを交換するなど修理して使用するために、まずは本体の清掃が行われました。
ピカピカになったガワだけ見ても、当時の記憶がよみがえるようですね。念のため、ゲームボーイ本体とモニターの電源を付けてみると……あれ?なんと起動したではありませんか。
もちろんそのまま使用することも出来ましたが、なにぶん貴重なものなので、状態維持のため通電稼働させず。いつでも元に戻せるよう取り外したパーツは保管したうえで、当初の通り、モニターを差し替え、販促映像等を流すことにしたそうです。
水野さんに手によって補修が行われたこの巨大ゲームボーイは、4月7日より佐古前装備店頭にて稼働中となっています。当時の仕様とは少々の変更はあるものの、懐かしさを感じるには十分。長い沈黙の時を経て、見事復活を果たした巨大ゲームボーイは、きっと長らくお店の名物として活躍してくれることでしょう。
<記事化協力>
ジャンクおじさん(自称)さん(@x1junkojisan)
(山口弘剛)