全国に約200万人いるとされている「佐藤さん」のため、栃木県佐野市が2020年3月10日に誕生させたコミュニティ「佐藤の会」。発足から約3年が経ち、現在どうなっているのか?

 その後を気にしている佐藤さんは多いことでしょう。そこで、佐藤姓である記者が勝手に代表して「佐藤の会」の担当者に話をうかがいました。

 そもそも、なぜ佐野市が「佐藤の会」を発足させたのか。それは佐藤姓のルーツが佐野市“かも”しれないからです。

 佐野市には歴史上の偉人である藤原秀郷の居城がありました。そのため、諸説あるものの「佐野」の「藤原」で「佐藤」とする説が有力であると言われています。

 そのような経緯から、佐野市は「佐藤さんゆかりの地 聖地化プロジェクト」の一環として「佐藤の会」を発足。全国的な人口減少や少子高齢化が進行する中で、関係人口を拡大させて地域振興を創出。そして藤原秀郷が残した歴史・文化的財産や、佐野市の魅力を発信していくとのことでした。

 3年前の発表当時、「佐藤姓」に特化した会ということでインターネットメディアをはじめ大いに注目をあつめました。もちろん多くの「佐藤さん」も反応。筆者もその一人です。

 あれから3年。これまでのこと、これからのことを担当者にインタビューしました。取材はメールで質問一覧を送り、それに返答をもらう方式で行っております。

■ 発足と同時期にコロナ禍に……

--記者:「佐藤の会」の会員数は現在何人くらいいるのでしょうか?

2023年1月現在、累計1826人。2月の増加分が倍以上おりますので、もう少し増加する予定です。

--記者:「佐藤の会」発足からもう少しで3年が経ちますが、大変だったことや苦労したことを教えてください

発足と同時期にコロナ禍になり、佐藤さんゆかりの地である佐野市と積極的に関わるリアルイベントなどが実施できず、来訪や交流、関わり方が難しかったです。そのため活動が、モバイルスタンプラリーやオンラインツアー、SNSなどによる情報発信程度になってしまいました。

■ シヤチハタ社とコラボも!

--記者:3年の活動の中で「印象に残っている出来事」や「嬉しかったこと」があれば教えてください

名字研究家の森岡浩さんから、佐野の藤原説が有力であると示されたことや、日々の生活でも「310(サトウ)」を見ると何か嬉しくなります。

2021年にはネーム印(朱肉やスタンプ台を使わないハンコ)国内No1シェアのシヤチハタ社とコラボして、佐藤の会オリジナルハンコを佐野市のふるさと納税の返礼品として提供できたことも印象に残っている出来事の1つです。

タレントさんや学識経験者など、著名な佐藤さんにも関心を持っていただき、「佐藤の会」という存在を知ってもらうことで、名字の話題で会話が盛り上がったり、自身のルーツについて考えるきっかけになったりしていることが嬉しいです。

■ 「佐藤さんおもてなし隊」が発足

--記者:3年の活動の中で手ごたえを感じた出来事は?

佐野市内の店舗や団体の協力で、全国の佐藤さんをおもてなしする「佐藤さんおもてなし隊」が発足され、訪れた会員がオリジナルグッズや店舗ごとのサービス・特典などを受けられる体制を整えることができました。さらに企業や団体との交流も生まれてよかったです。

SNSでは、佐藤さんに関するさまざまな投稿をしており、著名な佐藤さんご本人やファンと交流ができています。

■ 目標は会員の拡大

--記者:この3年の活動の中で感じた課題や今後の目標があれば教えてください

課題は、佐藤さん以外の方に興味を持ってもらえていないことです。今後の目標は会員や関わりを持つ方(関係人口)の拡大です。

交流イベントを通して市民との絆の深化・活性化を計っていきたいと思います。

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 2020年3月発表当時、世間からは大きな注目を集めた「佐藤の会」。筆者もこれからどうなるか、とワクワクしてみまもっていたのですが、ほぼ同時期からはじまったコロナ禍によりリアル面での活動に大きな影響を与えていたそうです。

 その後どうなったかな?とずっと気になっていたので、今回いち佐藤としても気になる疑問をぶつけてみました。今後は、交流イベントも計画されているとのこと。3年越しにようやく本来の活動が行えそうです。

 なお、現在はメジャーリーグ・ベースボール唯一の公式選手用キャップサプライヤーである「NEW ERA」とコラボし、「佐藤の会オリジナルキャップ」の製作に向けて、1月20日~2月28日までクラウドファンディングを実施中。

 3月12日には、3月10日の佐藤の日に合わせたオンライン配信「3月10日は佐藤の日 佐藤さんで、よかった。生配信」を佐藤の会公式YouTubeチャンネルで行う予定とのことでした。

 そして気になる入会方法ですが、「佐藤の会」公式ホームページ上から行えます。個人は入会費・会費など無料。会員証が贈られます。

<記事化協力>
栃木県佐野市「佐藤の会
佐藤の会公式Twitter(@sato_community

(佐藤圭亮)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 全国の佐藤さん必見!「佐藤の会」発足から3年 現在の活動について佐藤が聞く