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最強寒波が日本列島を覆い、大雪や暴風警報が出される中、普段滅多に雪が降らない地域でも降雪が観測されるなど、全国各地で猛威を振るっています。
筆者の住む鹿児島市の平野部においても24日の午後過ぎからちらちらと雪が降り始めましたが、そんな光景を見ると、いつも思うことがあります。それは「鹿児島民は灰が降っても何とも思わないけど、少量でも雪が降ると異常にテンションが上がるよなー……」ということ。
ご存じの通り、鹿児島県には今も生き続ける活火山「桜島」があり、全国的にも珍しい降灰地域。
他県民には「空から灰が降ってくる」ということ自体非日常かもしれませんが、桜島とともに暮らす鹿児島県民にとってはあまりに日常すぎて、桜島が噴火しようが、灰が降ろうが誰も大騒ぎしません。
2022年の夏ごろ、史上初の噴火レベル5を観測した時も、実際の市内の雰囲気と全国ニュースでの報じられ方のギャップには驚いたものです。
このように降灰には慣れっこの鹿児島民ですが、南国という地域性ゆえ、同じ「降る」でも雪の場合は話が別。少しでも降ろうものなら皆が空を見上げ、「雪だ雪だ」と狂喜乱舞するのです。まさにお祭り状態。
それを証明するかのように、筆者の個人ツイッターアカウントのタイムラインにも鹿児島県民からの降雪を知らせる写真や、動画付きのツイートが多数流れてきました。
転倒などの危険性もあるでしょうに、まずはとにかく撮影。雪が降ったという事実を形に残すことが優先なのです。
さらに、夕方の県内ニュースでは、降雪の様子が報じられたほか、「雪道を歩く際の注意点」が念入りに紹介されていました。
「靴は底がギザギザなもの」「歩幅は小さくペンギン歩き」「荷物はリュックを推奨し、両手は可能な限りあけておく」といった注意が呼び掛けられ、筆者もなるほどと思いながら聞いていましたが、日常的に雪が降る地域の方が見たら、これも基本的すぎて驚かれるのでしょうか……。
鹿児島県民にとっては、いわば降雪は「数年に数えるくらいしか起きない、超レアなイベント」のようなものなのです。
かくいう筆者も、雪が降ったことをすぐに編集部メンバーに報告したり、窓の外を見たりと、ワクワクした気持ちを抑えられませんでしたし、小学校から帰宅した娘も、ランドセルを置いてすぐに外へ。素手で小さな雪だるまを作って遊んだりと、とても楽しそうにしていました。後で冷たそうにしていましたけどね。
大人から子どもまで、灰はスルーしても、雪は絶対にスルーしない。この事実はもはや鹿児島の県民性と言って過言ではないでしょう。
(山口弘剛)