ヘアサロン専用のヘアケア商品を手掛ける株式会社ミルボンが、サロン専用商品を店舗で試して購入でき、さらにECサイトとも連携した「Smart Salon」を発表。2023年1月21日にヘアサロンMINXとコラボした1号店が東京・渋谷にオープンします。オープンに先立ち、記者発表会と内覧会が開かれました。

 ヘアサロンで使われているヘアケア商品やコスメ。サロンで購入することもできますが、どんな商品なのか自分で試せなかったり、購入機会が限られるため使い続けにくかったりといった悩みがあります。

 今回発表された「Smart Salon」は、ヘアサロンにサロン専用のヘアケア商品やコスメを販売するコーナーを併設し、自分で商品を探したり試したりして購入できるというもの。さらにECサイトとも連携し、自分の好きなタイミングで商品の追加購入が可能だといいます。

 発表会では株式会社ミルボンの佐藤龍二社長が登壇。「Smart Salon」に関し、コンセプトの背景や店舗概要について語りました。

 ヘアケアやスキンケア、ビューティヘルスケアに関心の高いものの、実行に移すとなるとどうしたらいいか迷う人は少なくありません。そういった時、スペシャリストが揃うヘアサロンは頼りになる存在。しかし、商品の販売まで充実させるのは難しい面がありました。

 そこで構想されたのが「Smart Salon」。「Find your impressions, Discover your “new me” 」をコンセプトに、専門知識を持ったスタッフが寄り添いながら、顧客自身が商品を自由に試したり探したりでき、購入できる体験型の販売コーナーを併設した新しい美容室空間です。

 株式会社ミルボンでは、コンセプトに賛同する全国のヘアサロンと協働し、個性に合わせた店舗を作っていきたいとのこと。2026年には全国100都市(約500~1000店舗)へ展開を目指すとしました。

 続いて、最初の店舗となる「MINX shibuya smart salon」を運営する株式会社MINXworldの高橋マサトモ会長が登壇。今回のコラボに至った背景について語りました。

 1985年以来、東京の青山、原宿、銀座エリアに限定してヘアサロン5店舗を展開してきたMINX。「Smart Salon」構想を聞いた際、「お客様が、これまでの美容室にない新しい体験ができる」こと、そして「スタッフが、お客様と今まで以上に良いコミュニケーションをとれる」ことに魅力を感じたといいます。

 新店舗の場所に選ばれたのは渋谷。現在大規模な再開発が進んでおり、街の「世界で一番未来を感じる場所」としての将来性から、初めて進出することに決めたのだそう。

 高橋会長は、新しい「MINX shibuya smart salon」を通じ、「お客様に新たなBeauty体験をご提供し、お客様に新たなBeauty文化を発信します」と期待を寄せました。

 MIYASHITA PARK(宮下公園)向かいにあるcocoti SHIBUYAの3階にオープンする「MINX shibuya smart salon」。天井高も高く、外壁がガラス張りとなっていることもあり、非常に開放的な空間です。

 店舗には、様々な体験型コーナーが設置されています。試供品を自分で選んで組み合わせ、トライアル価格で購入できる「DAGASHI(ダガシ)」は、新しい出会いを演出するコーナー。

 自分好みの香りから商品をおすすめしてくれる「KAORIUM(カオリウム)」は、香りを切り口に商品選びができるコーナー。デバイスに並んだボトルの中から心地よいと思う香りを選んでいくことで、AIが好みの香りを言語化・診断し、おすすめの商品を提案するというもの。

 タブレット端末が設置された「Smart Salon Viewer(スマートサロンビューア)」では、施術で使われるシャンプーやトリートメント、コスメなどの情報を知ることができます。また、ヘアカラーやメイクのシミュレーション、フレグランス診断などコンテンツを随時拡充し、いつでも新鮮な体験ができるとのこと。

 店舗だけではなく、サロンで対面カウンセリングを受けた方専用のECサイト「milbon:iD」とも連携。気になった商品を登録しておけば、サロンで当日購入しなくても自分のタイミングでいつでも購入が可能だといいます。

 今後は、おすすめのシャンプーやトリートメントといったヘアケア用品、コスメ、スタイリング方法など、美容師から提案した情報をスマホに届ける「STYLESTOCK(スタイルストック)」も2023年3月にローンチ予定とのこと。サロンで担当美容師が選んだシャンプーやヘアスタイルの情報などをmilbon:iDのマイページにシェア。いつでも美容師からのアドバイスを確認できるようになるそうです。

 ヘアサロンを「デジタルとリアルが融合した顧客体験の場」へ変えたい、という株式会社ミルボンの「Smart Salon」。すでに多くのサロンから問い合わせがあるそうで、身近な場所で目にする日も近いかもしれません。

※高橋マサトモ会長の「高」は、正式には「はしごだか」です。

取材協力:株式会社ミルボン

(取材:咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 ヘアサロン専用商品が試して購入できるように ミルボン「Smart Salon」を発表 1号店が東京・渋谷にオープン