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昔よく遊んでいたゲーム機。数十年も経てば当然そんなに価値はないだろう……そうお考えのあなた。実はそうでもないようですよ。状態や機種にもよりますが、過去に販売されたゲーム機にプレミア価格がつくなんてことがあるようです。その一例が「ゲームボーイアドバンス」。
ゲーム機が高値で売れるなんて、最新ゲーム機の転売ぐらいしか考えたことがなかったのですが、いくらぐらいで取引されているのでしょう。そもそも何故そんなに高く売れるのでしょうか。専門業者にも話を聞いてみました。
ゲームボーイアドバンスは、任天堂が開発した携帯型ゲーム機です。2001年3月21日に発売され、当初の価格は9800円。後に値下げが行われています。
任天堂が公開している「任天堂株式会社連結販売実績数量の推移」によると、約8000万台販売されており、うち約4000万台がゲームボーイアドバンスSPとのこと。ゲームボーイアドバンスSP は発売当初の価格が、1万2500円で、こちらも後に値下げが行われています。
8000万台すげえ!と感じるかもしれませんが、どっこいゲームボーイはその更に上の約1億台。ニンテンドーDSにいたっては約1.5億台。全く想像がつかないほどの売上です。
スペックとしては、ゲームボーイに比べ色数が大幅に増加。まず、画面はモノクロからカラーに進化。表示色数は3万2768色利用可能となりました。CPUは8bitから32bitに強化。そしてなんと言っても従来のゲームボーイ用ソフトでも遊べる下位互換が可能。当時としてはまさに「神スペック」です。
とはいえ、今では古いゲーム機であることには変わりません。しかし事実、現在フリマサイトを中心にかなり高値で取引されているのです。最新機種でもないのになぜ?と思ってしまいますが、取引によっては数十万円にも高騰しております。
フリマサイトで確認してみますと、中古の販売価格はおおよそ4000円〜1万円。これにはまだ普通じゃないか?と思ってしまいます。ところが新品となると話は変わってきます。
そもそも新品の本体出品数が極めて少なく、安くても4万円。限定品や海外のプレミアモノは数十万円にものぼります。
確かにゲームボーイアドバンスは高値で取引されていることがわかったのですが、ではなぜ高値がつくようになったのでしょうか。
ゲームボーイアドバンスが高値で取引される理由の一つは販売台数が影響しているものと思われます。
さきほど、参考にした「任天堂株式会社連結販売実績数量の推移」によると、ゲームボーイアドバンスは約8000万台、うちSPは約4000万台となっていますが、国内にしぼりこむと約1600万台、うちSPは約650万台。総数からSPを引くと、国内で販売されたゲームボーイアドバンスの数は約950万台。
ちなみに、ゲームボーイとニンテンドーDSの国内数は、どちらも約3200万台。2つと比較すると、ゲームボーイアドバンス(SP含む)の総数は約半分。ゲームボーイアドバンスに絞り込むと、3分の1程度です。つまりそれだけ世に出回っている台数が少ないことも、プレミア化している理由の一つと考えられます。
それだけではなく、昨今のとある風潮も影響しているのではないかと推測するのが、静岡の中古販売業者に務めるR氏(30代)。(本人希望により匿名での協力です)
R氏は「GB(ゲームボーイ)などレトロゲームは1年前から価格が高騰しています。これという理由はありませんが、ユーチューバーがレトロゲームなどの配信をおこなった影響で、自分もやってみたいと思った方が増えたのではないか?」と推測しています。
確かに、最近はゲーム実況やRTA(クリアまでのタイムアタック)を配信するユーチューバーが増えている印象です。中でもレトロゲームと呼ばれるジャンルは大人から子どもまで人気を集めており、配信を通じて興味をもつ人がいても不思議ではありません。
その影響で「需要が高まった」という説は、確かに納得できる理由です。
もしこの仮説が正しいのならば、今後ますますゲーム実況ユーチューバーが増加し、レトロゲームのあつかいも増えてくるはずです。そうなってくると、みなさまの家に眠っている昔のゲームハードの価格がどこかで高騰する可能性はあります。
もしそのようなレトロゲーム機を持っている方は、むしろ中古屋に売らず将来まで大切に保管しておくとよいかも!?希少価値がさらに高まり、意外と家の家宝にまでなるかもしれません。
<協力>
R氏
<参考>
任天堂ゲーム専用機販売実績
任天堂株式会社連結販売実績数量の推移(PDF)任天堂ゲームボーイアドバンス
(たまちゃん)