起こりは縄文時代とも言われている「かんざし」。

 古くより「日本美」を優雅に伝えてきた伝統工芸品ですが、「簪専科」の屋号で活動する作家・横田涼子さんは、着用者にその人だけの「特別」を提供しています。

 「彼岸花かんざし『瞑色』 音もなくチリチリ燃える艶やかな闇。最新作をTLにお届けします」

 この日、新作「瞑色」をTwitterに公開した横田さん。所々に青が混じった赤きリコリスが、挿し部分の上で咲き誇っています。

 「情熱」「悲しい思い出」など、複数の花言葉を持つのが彼岸花ですが、本作も艶やかな赤が目を引きながらも、同時にどことない儚さも伝わってきます。ちなみに、横田さんが手がけるかんざしの中では、人気の高いモチーフでもあるそう。

 「毎年何種類か作っている中で、カジュアル用ではなく、撮影・舞台用の大型作品が『瞑色』です。ストロボやステージライトが当たったときに、もっとも美しい輝きとなる仕様となっています」

 この「大型作品」は、主に雑誌や写真集、映画作品に採用されているといい、基本注文を受けての生産となっています。

 なお、横田さんは「仙女の箱」というブランド名でも展開を行っています。作品群は、海外からの評価も高いものの、特注生産のため新規に予約するとなんと3年待ちとなっているそうです。

 1本1本丹精込めて作り上げられた「一粒の宝物」たちは、手に取った人々に、知る人ぞ知る宝石箱に入った「桃源郷みやげ」の世界観をお届けしています。

<記事化協力>
横田涼子@特注かんざし専門家さん(Twitter:@_but_beautiful/Instagram:@japan_art_kanzashi)
仙女の箱

(向山純平)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 予約3年待ちのかんざし作家・横田涼子が生み出す一粒の宝飾