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トゥシューズやサテンシューズを履くときに知っておきたいのが「リボンの巻き方」です。
リボンは、ただ足首に巻き付ければいいのではなく、踊りやすく、かつ美しく巻くことが大切。本稿では、バレエ経験者207名に聞いた「リボンの巻き方」を参考に、ベーシックなリボンの巻き方を解説します。
初心者がやりがちな失敗も紹介するので、トゥシューズ・サテンシューズを履き始めたばかりの方はぜひご一読ください。
※トゥシューズの表記について:「toeshoes」をカタカナ表記する場合「トーシューズ」が正しいとされていますが、本稿では日本にあるバレエ用品店やバレエの専門書籍等が主に使用している「トウシューズ」「トゥシューズ」の2つのうち、「トゥシューズ」を優先して使用しています。
実は、トゥシューズのリボンの巻き方は、メソッドや教わる先生によって大きく異なります。
そこで今回は、一般的なリボンの巻き方を探るべく、TwitterとInstagramでアンケートを取りました。本稿ではアンケート結果をもとに、一番多いリボンの巻き方を解説します。
▼リボンの巻き方に関するアンケート
【リボンを巻き始めるのは?】 回答数=207
・内側から……69%
・外側から……17%
・2本同時に(2本巻き)……14%
【リボンの結び目が来るのは?】 回答数=162
・内側……89%
・外側……7%
・真後ろ(かかと側)……4%
【(結び目が内側に来る場合)外側のリボンは】 回答数=141
・1周巻く……57%
・2周巻く……43%
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このアンケートをもとにすると、一番ベーシックなリボンの巻き方は「内側のリボンから巻き始め、結び目が内側に来るようにする。外側のリボンは1周だけ巻く。」ということになります。
……こう書いても分かりにくいと思いますので、画像付きで解説していきます。
先ほどのアンケートをもとに、リボンの巻き方を画像付きで解説します。画像内の足は右足です。リボンが見えやすいように黒タイツを履いています。
なお、先生によっては、本稿で紹介する巻き方と異なることがあります。先生の指示と本稿の内容が異なる場合は、先生の指示を優先させてください。
まずは内側(右足なら左側のリボン)から巻き始めます。
足首を曲げた状態で内側のリボンを取り、引っ張りながら外くるぶしの上あたりを通って1周半させます。
次に、外側のリボンを巻いていきます。このとき内側のリボンは、たるまないよう引っ張ったまま持っていてください。
外側のリボンを引っ張りながら、内くるぶしの上あたりを通り1周させます。
内くるぶしの上あたりで左右のリボンを結びます。「固結び」や、片方だけを蝶結びにする「半固結び」、「蝶結び」など結び方は人によって異なりますが、おすすめは固結びです。踊っている最中にほどける心配がありません。また結び目がボコッと目立つのを防ぐために、なるべく薄く平らになるよう結ぶことも意識してみてください。
結び終わったら、リボンの端と結び目を巻き付けたリボンの中にしまいます。しまい方が中途半端だと踊っている最中にリボンの端が出てきてしまうので、しっかりしまい込みましょう。
リボンの巻き方に関して、初心者がやりがちな失敗を3つ挙げました。これらをやってしまうと、美しく見えないだけでなく、足首が上手く動かなくて踊りに影響することもあります。
初心者の方に多いのが、リボンを巻く位置が上すぎるという失敗。発表会などでサテンシューズを初めて履く人に多い失敗です。
本来の位置よりも上側に巻いてしまうと、筋肉やアキレス腱が締め付けられて動きにくいほか、リボンがどんどん緩んでしまい、怪我に繋がる可能性もあります。
リボンを巻く位置は、くるぶしの上あたり、足首が一番細くなっている位置です。
自信がない方は、先生や先輩に巻く位置が正しいか見てもらいましょう。
リボンが緩まないようにと、きつく締めすぎる初心者の方も多いです。きつく締めすぎると、足首の動きが制限されますし、うっ血に繋がる可能性もあります。
締めすぎを防止するためには、リボンを巻くときの足の状態が重要です。足首を曲げた状態、バレエ用語でいうと「フレックス」の状態でリボンを巻きましょう。足首が一番太くなるのが足首を曲げたときなので、この状態でリボンを巻くと締めすぎを防げます。
それでもリボンがキツいと感じる場合は、ストレッチ素材のリボンや、アキレス腱に当たる部分がゴムになっているリボンを使ってみてください。いずれもバレエ用品店で購入できます。
初心者に限りませんが、リボン関連で一番多い失敗が「踊りの途中でリボンが出てきてしまう」ことです。どんなに綺麗につま先が伸びていても、ピロンとリボンが出ていたらもう台無し……。絶対に避けたい失敗の1つです。
この失敗を防ぐには、まず履く段階でリボンをしっかりとしまい込むことが重要です。リボンの端が長いと出てきやすくなるので、2~3cmほどを残し、余分な部分はカットしておきましょう。
舞台本番では、リボンが出てこないように結び目を2〜3針縫ったり、透明のテープで結び目を覆ったりするよう指示される場合もあります。透明のテープはバレエ用品店で購入できますが、個人的には、耐久性がある目立たないテープがあれば必ずしもバレエ専門品である必要はないと思います。ただし、本番でいきなり専門品でないテープを使うのは少々リスクがあるので、使う場合は普段のリハーサルで試してからがよいでしょう。
また、普段のレッスン・リハーサルから、踊る前にリボンが出ていないか確認することも非常に大切です。余裕があれば、周囲の人のリボンにも気を配ってみてください。特に、本番だけサテンシューズを履く方は、リボンを確認する癖が付いていません(特に小さいお子さん)。舞台に出る直前には必ずお互いの足下を確認すると仲間内で決めておくのもよいでしょう。
トゥシューズやサテンシューズのリボンの巻き方を紹介しました。
アンケートからも分かるように、リボンの巻き方には個人差があります。本稿を参考にするとともに、巻き方を先生に尋ねることも併せて行ってくださいね。
シューズはバレリーナの身体の一部とも言える大事なもの。ぜひ何度も練習して、美しく、かつ機能的なリボンの巻き方を習得しましょう!
(上村舞)